今回は,統計ソフトRをorgファイルの中から利用する org-babel-Rの使い方を説明する(一回目).
なおUbuntu 8.04 LTSとEmacs22上で, org-6.34c (2010年1月10日リリース)の利用を前提にしている.
リンク
インストール
Rがインストールされているいなければまず以下のようにしてインストールする.
$ sudo apt-get install r-recommended
また org-6.34c.zip を展開した時にできた org-6.34c/contrib/lisp/ ディレクトリ中の org-babel-init.el および org-6.34c/contrib/babel/lisp/ ディレクトリ以下のファイルを必要とするので,以下のように設定する(load-path の設定は,適切に変更すること).
(add-to-list 'load-path "/usr/local/src/org-6.34c/contrib/lisp") (require 'org-babel-init) (require 'org-babel-R) (org-babel-load-library-of-babel)
値の埋め込み
以下の例では, 1から10の値からなるベクトル x を定義し,各値の sqrt の平均値を求めている.
#+BEGIN_SRC R x <- 1:10 mean(sqrt(x)) #+END_SRC #+results: : 2.24682781862041
表の埋め込み
以下の例では, 1から5の値からなるベクトル x を定義し,ベクトル x と,sqrt(x) を横に並べた行列を求めている.
#+BEGIN_SRC R x <- 1:5 cbind(x, sqrt(x)) #+END_SRC #+results: | 1 | 1 | | 2 | 1.4142135623731 | | 3 | 1.73205080756888 | | 4 | 2 | | 5 | 2.23606797749979 |
以下の例は,上記の例と同様だが,一行目に "x" と "sqrt(x)" を加えている.
#+BEGIN_SRC R x <- 1:5 cbind(c("x", x), c("sqrt(x)", sqrt(x))) #+END_SRC #+results: | x | sqrt(x) | | 1 | 1 | | 2 | 1.4142135623731 | | 3 | 1.73205080756888 | | 4 | 2 | | 5 | 2.23606797749979 |
「Emacs org-modeを使ってみる」の目次
- (1) インストール
- (2) 見出しと項目の編集
- (3) 表の編集
- (4) 表計算
- (5) TODOリスト
- (6) アジェンダ表示
- (7) ハイパーリンク
- (8) メモを取る
- (9) キーバインド1/3
- (10) キーバインド2/3
- (11) キーバインド3/3
- (12) GTDツールとして
- (13) HTMLにエクスポート
- (14) LaTeXにエクスポート
- (15) Beamerにエクスポート
- (16) エクスポート結果
- (17) orgの表を埋め込む
- (18) 計時
- (19) graphvizとditaaの図を埋め込む
- (20) gnuplotを呼び出す
- (21) LaTeX数式のインライン画像表示
- (22) RSSフィードを取り込む
- (23) エクスポート時に利用できるLaTeX記号
- (24) 繰り返し行動の記録
- (25) iCalendarにエクスポート
- (26) タグとプロパティ
- (27) ドローワとアーカイブ
- (28) バッファ内設定一覧
- (29) エクスポートオプション一覧
- (30) CSSクラス名一覧
- (31) Emacs Lispの実行
- (32) HTML表のスタイル設定
- (33) 脚注と参考文献の利用
- (34) 短縮形リンクの利用
- (35) org-babel-perlを使う1/4
- (36) org-babel-perlを使う2/4
- (37) org-babel-perlを使う3/4
- (38) org-babel-perlを使う4/4
- (39) speedbarを使う
- (40) org-babel-Rを使う1/2
- (41) org-babel-Rを使う2/2
- (42) 日本語化ditaaの利用
- (43) mhcをインポート
- (44) 再びHTMLにエクスポート
- (45) Firefoxからブックマーク