「Linux」でターミナルの使用は必須ではないと筆者は考えている。この発言は筋金入りのLinuxユーザーには究極の冒涜(ぼうとく)に聞こえるはずだ。ここで重要なのは「必須」という言葉である。
筆者がLinuxを使い始めた頃、ターミナルは必須のものだった。ソフトウェアをインストールするときもネットワーク接続を管理するときも、ターミナルを使う必要があった。非常に多くのことがターミナルウィンドウに依存していたため、ターミナルがなければLinuxはほぼ使い物にならなかった。
話を現在に戻そう。ターミナルは今ではおまけのように感じられる。これを聞いて驚いた人もいるはずだ。納得できない人もいるだろう。だがリラックスしてほしい。
筆者はターミナルの使用を避けるべきだと言っているわけではない。Linuxを最大限に活用したいのであれば、ターミナルが提供する素晴らしい機能を使用すればいい。しかし、前述したようにターミナルは必須ではない。
それでは、かつては絶対に必要だと考えられていたものが、今では無視しても構わないものになっているのはなぜなのだろうか。また、ターミナルを開かなくてもLinuxを使用できるのはなぜなのだろうか。
本記事では、それらの疑問について詳しく解説する。
1. 適切なディストリビューションを選択する
これは重要である。ターミナルを開かずにLinuxを使用したいのなら、「Flatpak」か「Snap」のいずれか(または両方)のサポートがGUIアプリストアに組み込まれたディストリビューションを選択する必要がある。この条件を満たすディストリビューションを選択すると、標準のリポジトリーや「Snapcraft」「Flathub」からアプリケーションをインストールできる。
適切なディストリビューションを選ばないと、一部のアプリケーションはアプリストアのGUIからインストールし、FlatpakやSnapアプリはコマンドラインからインストールすることになってしまう。FlatpakやSnapのサポートがGUIアプリストアに組み込まれているディストリビューションには「Ubuntu」「Fedora」「Pop!_OS」「Linux Mint」「elementary OS」などがある。
2. 「nautilus-admin」をインストールする
「Nautilus」ファイルマネージャー(「GNOME」では「Files」と呼ばれる)を搭載したディストリビューションを使用している場合は、nautilus-adminアプリケーションをインストールする必要がある。このソフトウェアは、ファイルマネージャーの右クリックコンテキストメニューに「管理者として編集」と「管理者として開く」という項目を追加する。これをお薦めするのは、将来のある時点で読者の皆さんも設定ファイルを編集することが必要になるはずだからだ。そのファイルを所有している場合は問題ない。ファイルマネージャーでファイルをダブルクリックするだけで、関連付けられているアプリケーション(「Gedit」など)で開くことができる。ただし、ファイルを開くのに管理者権限が必要な場合は読み取り専用モードで開かれる。
「/etc」などのディレクトリーにある設定ファイルを編集するには、そのアプリケーションを追加する必要がある。追加しない場合はターミナルウィンドウからファイルを編集する必要があるが、これは本記事で避けようとしていることだ。