文=のかたあきこ 写真=星野リゾート

日御碕灯台がある岬に宿は立つ

身を清め、心を整える「お詣り支度」の温泉旅館

伝統技法による鉄のアートワークが映えるロビー

 島根半島のほぼ西端に位置する日御碕(ひのみさき)。界 出雲は、石造灯台としては日本一の高さ(63.30m)を誇る日御碕灯台を間近に望む地に立つ。吹き抜けで開放感があるロビーは、紺碧色の壁面に鉄のアートワークが施されている。テーマは「日本海に沈む夕日」。中世の「たたら製鉄」の伝統技法によって生み出される玉鋼(たまはがね)と鉄滓(てっさい)の素材を用いている。

日御碕灯台を眺めるご当地部屋「彩海の間」

 日御碕は夕日の名所で、パワースポットと親しまれる。宿から徒歩5分には「日沈宮(ひしずみのみや)」と呼ばれる下の宮で知られる日御碕神社があり、車で20分ほどには出雲大社がある。界 出雲は「灯台と水平線を望むお詣り支度の宿」を宿づくりのテーマにしている。

大きな湯船で海を愛でれば晴れやかな気持ちに

 大浴場には源泉掛け流しのぬる湯浴槽とあつ湯浴槽があり、交互に入浴することで血のめぐりがよくなり、体がほぐれる。海原を望む露天風呂には寝湯もあり、絶景を間近に眺めながら活力チャージができる。

海風に包まれながら強塩泉の湯に浸かる

 出雲ひのみさき温泉の泉質は、塩分濃度の高いナトリウムー塩化物強塩泉。塩のベールに包まれることで保温と保湿効果が高まる美肌の湯。宿では「海をも思わせる塩泉を清めの塩に見立て、神社に詣でる前の“みそぎの湯”としてご利用ください」と、参拝前の入浴を提案している。