住宅ローンの本格的な金利上昇が始まる住宅ローンの本格的な金利上昇が始まる!(写真:jd8/Shutterstock.com)

 日本銀行が政策金利である短期金利の引き上げを実施し、2025年1月には0.25%程度から0.50%程度になった。それを受けて、住宅ローンの変動型金利も引き上げが実施される見込みで、家計の負担はますます重くなりそうだ。これから住宅の取得を考えている人も慎重な資金計画が必要になるが、どのような点に注意すればいいのか。住宅ジャーナリストの山下和之氏がアドバイスする。

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政策金利の引き上げで住宅ローン金利も上昇

 住宅ローンの金利タイプの中でも変動型は政策金利である短期金利に連動し、固定型は長期金利に連動する。短期金利が上がるときには、それを先取りしてまず長期金利が上がるので、固定型から変動型まで軒並み上昇することになる。

 2024年1月、日本銀行が短期金利を0.25%程度から0.50%程度に引き上げた。それによって、金融機関の貸出期間1年未満の優良企業向け貸出金利である短期プライムレートが上昇し、主要銀行の短プラが3月には1.625%から1.875%に引き上げられる。

 多くの銀行では変動型の基準金利は短プラ+1.00%なので、基準金利は2.625%から2.875%に上がることになる。実際の適用金利はそこから優遇制度が適用されるので、どこまで上がるのか明確ではないが、2月のメガバンクの最優遇金利は0.345%から0.625%の範囲なので、4月以降0.4%台、0.7%台などに引き上げられる可能性が高い。

 それに先立って長期金利の指標となるみずほ銀行の長期プライムレート(優良企業向けの貸出期間1年以上の貸出金利)は1月の2.00%から、2月には2.20%に引き上げられ、長期金利に連動する固定金利期間選択型や全期間固定金利型の金利も上昇している。そのため、これから住宅ローンを組んで、マイホームの購入を考えている人は、金利上昇を前提に資金計画を立てる必要がある(【図表1】参照)。