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4回
2023/04 訪問
日本文化の柔らかさや軸が集約してる。
天才、角谷健人。
角谷さんの料理を食べる時に、石かわの石川さんはさんはとんでもないレベルの料理人を育て、見出して来たなとじつ関する。
石川さんがミシュランのメンターシェフアワードを取ったことも凄いけど、その手前に起きた「何が凄いからメンターシェフアワードに値するのか?」という事の方が大事。
石川さんがミシュランで評価されたポイントは凄いシェフをたくさん育てたとか、量の問題もあるとは思うのだけど、なかでも目を引く存在はこの角谷健人氏なのではないだろうか。
多くの人は彼の料理をノンジャンルと思っている。ノンジャンルのイノベーティブ料理だと言われてしまう。もちろん僕もそう思っていた。確かに食べログにもそう書かれている。しかし、僕は確信する。彼の料理は和食の進化系。ジャンルを問われれば和食としか言えない。現代ライフスタイルでの和食のど真ん中とも思える。
和の軸がズドンと一本通っている、彼の育った環境、料理好きになった背景や料理人への幼い頃の憧れや原体験をききながら思考の紐づけを考えながら料理を食べると、より角谷さんの幅の広く柔らかな和の文化を根本から捉えている料理ワールドが見えてくる。
本質に戻って探求する。日本文化ってなんだろうと思った時に、例えば記録する文字を持たなかった日本で、漢字を取り入れ万葉仮名に変化し、諸外国から伝わるものをカタカナで表記し、自分達に馴染みやすいようアレンジし、自然に自らの文化に馴染むように溶け込ませる行為。この取り入れる受け入れる行為自体を日本文化と言うのではないかと考える。
そのシンプルな本質が見えて来た時、初めて彼の料理が日本料理、和食から1ミリたりともずれていなかったことに気づく。
言い換えると、学び(まねび)ながら進化すること自体が日本文化の特色で、この日本文化を一人のシェフの中で行っているのが角谷さんなのではないだろうか?
しかも、技術的に工夫しているからいいのではなく、「美味しい」と言う軸はぶらさずに、取り入れる馴染む腑に落とすと言う、理解と言うレベルを超えた腑に落ちる美味さが凄まじい。
料理好きの彼は見たこともない料理を、ヒントやインスピレーション、研究の繰り返しで一皿を仕上げ繰り出してくる。
試行錯誤を繰り返した結果なのか、それともシンプルに天才なのか?どの料理も完成度は高い。とにかく美味しいのだ。
ディズニーランド、ワンダーランド、カクランド。
ファンは知っているんだなと感じるのは、結果としてもう一年3ヶ月先の予約までびっしりと埋まる。今この瞬間23年の4月の上旬に24年の6月はもはやほとんど予約が埋まっていると言う凄さ。
一度通うと次が楽しみになる。角谷さんと一緒に季節を追いかけたくなり、その魅力に取り憑かれる。
角谷さんは石川さんの一門だからこそできる自在さをちゃんと知っている人間的な魅力も素敵。「おやっさん」である石川氏への感謝のコメントもいつも口をついてでる。
食への興味の突き抜ける凄みを持つ角谷さん。料理の味だけでなく、生産者との出会いも、時代を次に繋ぐ想いもハンパなく深い。凄い料理人であると同時に素直で魅力的で実に素敵な人なのだ。
僕の愛してやまない料理屋の一つでえる。
2023/04/21 更新
2022/04 訪問
料理ジャンルを乗り越える。天才カテゴリーキラー
進化し続ける料理人、角谷健人。
和食ではなく、フレンチではなく、中華でもなくこういうジャンルを超えた美味しい料理をそれぞれの方程式に囚われず、追求に拘り、分野に拘りはない。
厨房で熟練の高橋七洋さんがナンペイダイからの腕を買われて天才角谷さんの後ろを固める。
みんなお客さんの事が大好きで、最強のサービスをしてくれる。チーム石かわの中でも最も凄いカテゴリーキラーだ。
彼の料理はどこでも出会った事のない料理なのに、優しくしっくりと馴染を感じさせる味わい。それでいて光り輝き、しかも優しく重くない仕上がり。
とらわれない、こだわらない、広く広がる世界観。
その中で、うまさの中心に出汁がブレずに存在する。オリーブオイルやスパイスや仕上がりは自由自在。
オープンから1年半以上経ち、出だしの頃の重さもなく、進化し続ける天才。
ベタ褒めすぎるけど天才としか言いようのないところは、一つ一つの料理の新領域に踏み込むチャレンジ度と、それでもブレていない完成度。
常に上位レベルで変化し続ける料理の数々、手を伸ばしチャレンジし続ける新たな領域。天才って光る才能とトライアンドエラーを繰り返す、挫折しない好奇心の事だっ!って確信させてくれる好奇心の塊感が凄い。
器や、メンバーとの声かけにもそのエッセンスが溢れる。落ち着いた内装の美しいお店のなかには、好奇心の活気溢れるスタッフによる躍動感あるサービス。
付け足すと、ワインも好きな彼ならではのペアリング。少量ずつ皿に合うワインを縦横無尽にサーブしてくれる。
これも見事としか言いようがない。
先に書いたがサービスも本当に心地が良い。料理も出してくれたものを覚えてくれているようで、他のお客さんと違うメニューを出してでも以前とダブらないようにしてくれるほどの気の利きよう。季節の移り変わりを機に一年に4〜6回ほどの頻度で通う大好きな料理屋。
2022/04/09 更新
2020/08 訪問
驚天動地、固定概念を覆す新和食!
NK Nanpeidai Chef's table featuring Kakuland
神楽坂石かわの小径を入った隣にて、もともとミントという長年続くバーを石かわグループで全面改装し、しばらくワインバーをやっていましたが、今度このNKにコンセプトチェンジして、コロナの時期なのに、いきなりデビューからの4ヶ月も予約が取れない店が現れてしまいました。
石かわグループに対する世間の期待感が象徴されるような船出。
波濤の熊切さんに引き続き若手の船出第二弾となります。
コロナ期でも遊び心満載でNanpeidai Chef's table featuring Kakulandとグループきっての若き天才と言われる角谷さんの味とNANPEIDAIのシェフ高橋七洋さんのコラボデビューです。
カウンター8席のとっておきの空間で味わう料理はひらめき溢れる料理。
和食をやってきた若い世代だけあり、ベースには和のテイストが流れるのですが、素材の組み合わせがまさに新境地、驚きの数々が繰り広げられます。
全ての皿を食べていただき、その驚きを楽しんでもらいたいのですが、僕からは一皿だけご紹介したいと思います。
通常の和食でコースの最後、デザートの前に出て来るお食事。いわゆるご飯なのですがが、なんと土釜で炊いたサフランライスの釜飯に、雲丹をたっぷりと乗せて食べさせるのです。この一皿を食べた時にも「旨いっ!なにこれ、ありえない!」と叫んでしまいましたが、コースの構成がまさにこの言葉に象徴されるのです。
もうこれは、さすがの僕もひっくり返りましたし、見事な仕上がりに、角谷さんの真骨頂を見たような気がします。
まさかの振り切りが見事すぎるのです。
和食を食べ尽くした、イタリアン、フレンチももう予想を裏切るものはしばらく口にしていないという人に、
また、ただの創作料理は勘弁だ。という方にも。
また、新しいものを求めてフュージョンみたいなところに迷い込み「まあ魅せてくれますが味は二の次ね。」という料理を食べていた人にも、こちらのNK、ナンペイダイの高橋さんと角谷さんのコラボブランド美味しさに敷かれている固定概念のレールが変わりますよ。
2020/08/13 更新
Fetched URL: http://tabelog.com/rvwr/00035688/rvwdtl/B429248976/
Alternative Proxies:
3ヶ月に一回は来ているNK。
角谷さんの成長ぶりが楽しみ。もちろん料理の進化もいつも驚くし、如実に見える心理変化も楽しみの一つです。
探求している人ならではの面白さがあります。
皆、どの飲食店でもそうだと思うのですが、食べるのが好きな人からの意見っていつもおそらく味の話だけに集中するのだろうけど、僕は味を決めるのは精神性だと思っているので、味という現象に出て来る本質の精神性のところが気になっているわけです。
精神性や学びは味やサービスに滲み出てきますもんね。
角谷さんは石川さんと言ういい師匠に巡り合い、自由に表現させてもらったヒストリーがあります。
いい食材を使うと言うことにベースを置いているはずですが、ここからの進化が楽しみです。なぜなら彼には高級食材といいものの違いは本質的には見えているはずだからです。
スナップショットではなく連続性を重視しなければ、本質は見えてきません。連続性とはストーリーです。高級なだけではスナップショットです。味は腕だけではないのです。心地よさもスナップショットではないのです。
お客様を喜ばせて帰っていただく。この一言に味以外、味に集約されるものこと。表面上のサービス以外のものこと。こんなことを哲学して、探求をしてくれると見えて来るはずです。
まあ、味だけしか評価が聞こえてこない料理人の世界。人の声だけを頼りに自分のあり方を見つめないで成長してしまう事が多い料理の世界。角谷さんが見抜ける人でストーリーを大事にする人なら今後の成長は見えて来るはずです。師匠の石川さんの悩んだから辿り着いている部分を見つめると見えてきますよね。今の凄さだけに注目すると見えてこないものがある気がするのです。師匠の本質を見抜きながらヒントにし、成長するそんな人になって行くと楽しみだな。
マダガスカルアグロフォレストリーのバニラのアイスととっピングにボリビアの森林からの自生カカオのカカオニブを自家焙煎したデザートはポリシーも想いも、当然おいしさにも感動し、めまいがしました。食事をしながら自分たちの住む地球を次世代に対して繋いでいく意志を感じさせる逸品でした。興味がそのうち自分自身を言わずもがなに語る軸になるといいね。