どれ程華やかな世界に身を置こうが、一人一人生身の人間で、遊んでる人間ばかりのように見えても、
恋人をとっかえひっかえということばかりではないし、人の心は簡単でないなと、そんな思いを改めてさせられた。
結婚した相手には彼の理想もあったろう
。HQの、元妻という立場の人は悪い人間が少なくなくて、この話もそう。勧善懲悪の方が感情移入しやすいからお話作りのセオリーのひとつかもしれないけど、そんな女の存在で邪魔される、という典型。この悪妻は素晴らしい悪役ぶりで二人を破局させた。
この話はそこから、第二の柱に移る。
人を見る目が最初から誰にも備わっている訳ではない。自分の感情も、ある出来事をきっかけに強く意識したりするなど、予め高い識別能力を持っているとは言えない。でも、行かないで、と思った彼の気持ちが本物であり、その一方で病院に付き添わなかったことを後悔するほどに、未練のなかった昔の女にさえひとかけらの優しさを持ち合わせている人間である。
私は太陽神ヘリオスとの外見への崇拝も悪くないが、彼の内面のその繊細さこそが、あらゆる被写体の美しさを見出だしてきた名カメラマンの才能と直結する感性かと感じた。
兎に角彼は頑張った。
この健気さ、私は大いに買ってしまう。
ストーカーではなくて、拒まれればやめている。
でも、感情は押し留めてはいられない。
別のHQでも驚いたが、マネージャーって本当に欲するところを知り尽くしているのがよいマネージャー(エージェント)なのだなと変なところでとても感心。
像の修復は、壊れたものは戻らない、という象徴に、挑んでいる諦めないでいる願を掛けている、そんな行為そのもの。
心のなかで泣きながら彼は元通りにしようとしたのだろう。
彼が全てに優先してヒロインに駆けつけるのも、当然と思う人もいるかもしれないが、男性でこれをやれる人は、ほぼラブストーリーの中にしかいないくらいだと思っている。
肝心なときに居た彼は、彼女の心にも再び入ることができたのだった。それは、本当に彼女が誰かの支えを要る時に彼女の支えとなってくれた人だったから。
こういう人は、これからもきっとヒロインに優しく暖かく彼女の意思を尊重するだろうと思え、羨ましいとさえ思った。
彼が選択を間違えそうになったけれど、プライドなどかなぐり捨てても取り戻したい相手になれたヒロインは幸せだ。それも、太陽神から!
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