◆日本での上映を断念
日本国内で批判の声を浴びているのが、『ジョン・ラーベ』で朝香宮鳩彦親王役を演じた香川照之さんだ。「この役は多くの人の批判を招くと思うが、自分がこの役を演じて経験したことはとても意義がある」と香川さん。
また日本国内で上映されないことについては、「日本で南京をテーマとした映画は普通上映できないし、日本人も撮影しない。しかしこの映画が少しでも中国の人たちの苦しみを取り除いてくれるよう望んでいます」と話す。映画に出てくる朝香宮鳩彦親王は裕仁天皇の叔父にあたる。南京大虐殺で重大な責任を負っていたが、戦後は皇族の身分で軍事法廷に出なくて済んだ。このような非常に敏感な役を、香川さんという日本でもよく知られている俳優が演じたことで、不快感を示す日本の右翼の人も多い。
『ジョン・ラーベ』は4月2日からドイツ、4月28日からは中国、11月にはベルギー、フランス、イタリア、スペインでも上映されることになっている。しかし日本はこの映画に対して沈黙あるいは拒絶の態度をとっていたため、『ジョン・ラーベ』は日本での上映をあきらめざるを得なかった。
◆日本人役は必ず日本人が演じるべき
『故郷(ふるさと)の香り』と『鬼が来た』などの中国映画に出演したことのある香川さんは、中国の観客にもよく知られている日本俳優の1人だ。去年、国内外で多くの賞に輝いた『トウキョウソナタ』にも出演している。
『ジョン・ラーベ』が世界で好評を博した後、日本国内では批判の声が聞かれるようになった。
「この映画を見て、本当に日本人は残忍なことを多くしたのだということを知りました。確かにそれを受け入れることは非常に難しい。難しいですが、現代の人たちにこの歴史を語る必要があります。そういう意味では、私は確かにこのようなテーマの映画が好きです」
ガレンベルガー監督は、朝香宮鳩彦親王役を選ぶ際に多くの日本の俳優と会った。しかしほとんどの俳優が出演を断り、最終的に引き受けたのが香川さんだ。「脚本を見た時に、この映画に出るべきだと思いました。その国際的な視点は現代の観客の反省を促すことができるからです。多くの人が、日本人としてどうしてこのような日本人を演じることができるのかと言うかもしれませんが、この役はやはり必ず日本人が演じるべきなのです」
写真は朝香宮鳩彦親王役を演じた香川照之さん。
※この記事は、「中国網(チャイナネット)日本語版」による提供です。中国網は中国国務院新聞弁公室の指導を受けて、中国互聯網新聞中心が各国語で運営する、中国政府による中国情報ポータルサイトです。URL : http://japanese.china.org.cn/
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