【新関脇王鵬 会見全文】祖父との比較、同期の昇進…人と比べて生きてこなかった

日本相撲協会は25日、春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表し、王鵬(25=大嶽)が、新三役となる関脇に昇進しました。父の元関脇貴闘力との親子三役は史上7組目。祖父で「昭和の大横綱」大鵬との3代にわたる昇進で、東京都出身の新関脇は元大関栃東(現玉ノ井親方)以来、9人目となりました。

大阪市内で行われた新三役会見の一問一答全文をお送りします。

大相撲

「ここからは勝つのが仕事になっていくと思う」

―おめでとうございます。三役に昇進して、今、どんなお気持ちですか

王鵬まあ、よかったなと思っています。

―三役に上がった実感というのは

王鵬どうなんですかね。まだ(番付を)見ただけなので、実感という実感はわいていないですけど、まあ、ずっと目指してやってきているので。はい。まだ、そんなにわいてないですね。

新関脇に昇進し会見に臨む王鵬(撮影・西尾就之)

新関脇に昇進し会見に臨む王鵬(撮影・西尾就之)

―番付表を見た時は、どんな気持ちでしたか

王鵬上がっていて、よかったなという気持ちでしたね。

―入門したころの三役のイメージというのは、どういうものでしたか

王鵬遅い時間帯で相撲を取っているので、早くそこで取りたいなという気持ちしかなかったですね。

―小結を跳び越えて関脇に上がったということは、どうなんでしょう

王鵬あんまり細かいルールとかも、やっていながら把握していないので、あんまり、ちょっと分からないんですけど。まあ、自分がやってきた結果だと思っているので、はい。まあ、ちゃんとやってきてよかったなとは思っています。

―これで3代続いての昇進ということになりましたが、これについてはどう思いますか

王鵬それもやっぱり、自分がコツコツやってきた結果なので。よかったなと思っています。

王鵬の祖父、大鵬(右)と二所ノ関親方(元大関佐賀ノ花)(1960年1月2日撮影)

王鵬の祖父、大鵬(右)と二所ノ関親方(元大関佐賀ノ花)(1960年1月2日撮影)

王鵬の父、貴闘力(1995年3月22日撮影)

王鵬の父、貴闘力(1995年3月22日撮影)

―新入幕から3年という月日が経ちましたけど、この期間はどうなんでしょう

王鵬僕は早ければ早い方がいいというか、早く上がりたいと思っていたので。僕からしたら、3年って長い…。長く思いますけど、まあ、ここからどうするかだと思うので、特にそういうのは気にせず、また頑張っていけたらいいなと思います。

―三役昇進につながった要因は、どんなところでしょう

王鵬本当に、まあ、コツコツやってきたことが本当に、ちょっとずつ身に着いて、ちょっとずつ、ちょっとずつ力をつけてきたのが一番だと思います。

―手応えを感じてきたのは、いつぐらいからですか

王鵬手応えっていうと、ちょっとアレなんですけど。最初から。最初からというか、こんぐらいはできると思って、相撲を取ってきたので。んー、まあ手応えは、まあ、まだ感じてないですね。

新関脇に昇進し会見に臨む王鵬(撮影・西尾就之)

新関脇に昇進し会見に臨む王鵬(撮影・西尾就之)

―この半年ぐらいのご自身の成長を感じる部分はありますか

王鵬自分ではあんまり分からないですけど、しっかり、力が相手に伝わるようになってきているのかなとは思っています。

―相撲の内容で特に意識していることはどんなところですか

王鵬体も大きい方なので、しっかり圧力を前に掛けていこうと思って相撲を取っています。

―押し相撲として意識しているのは、どういうところですか

王鵬今でも組むことは。たまに組み止められることはあるんですけど、しっかり前傾で圧力をかけていれば、何とかなると思っているので。前傾で圧力をかけることを一番、頭に入れて相撲を取っています。

―先場所の優勝争いの経験というのは、ご自身の中ではどうだったんですか

王鵬まあ、何回も言っているんですけど、毎場所、負けが込むまでは、優勝する気で相撲を取っているので。それが後半まで続いて、というのは初めてだったんですけど、しっかり集中を切らさず、気持ちを切らさず、相撲を取れていたので、しっかりできると思いましたね。

―先場所の雰囲気というのは、今、思い返すとどうでしたか

王鵬特に…は…。まあ、歓声はいつもよりは、すごい多かったですけど、特に普段と変わるようなことは、僕はなかったですね。

新関脇に昇進し会見に臨んだ王鵬は質問に考えながら答える(撮影・西尾就之)

新関脇に昇進し会見に臨んだ王鵬は質問に考えながら答える(撮影・西尾就之)

―よく佐渡ケ嶽部屋などに出稽古に行きますけど、出稽古の効果は、どのように感じていますか

王鵬まあ、部屋でやるとどうしても、立ち合いから押し込まれるということが、あんまりないので、立ち合いの感覚とかはすごく身に着くんですけど。不利な状態とか、攻め込まれてからの相撲がやっぱり、しっかり我慢して取れるように、なっていると思っています。

―琴櫻関との稽古はどのように感じていますか

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スポーツ

実藤健一Kenichi Sanefuji

Nagasaki

長崎生まれ、尼崎育ちで九州とお笑いを愛する。
関大を卒業後、90年に入社。約2年の四国勤務でいろいろ学び、大阪に戻って主に大相撲、ボクシングを担当。
その後、担当記者として星野阪神の優勝に立ち会えて感動。福岡勤務などをへて相撲、ボクシング担当に舞い戻る。