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トランプトレードの巻き戻しが起こっている

 トランプ大統領就任前、トランプ氏の政策は経済を刺激するものが多いので米ドル高になると想定されていました。

（※筆者提供）

 不法移民、国境問題は労働者を送り返すことになるのでインフレ的です。関税の引き上げは、当然インフレ的政策ですし、減税もインフレを促します。そのため、就任前の「トランプトレード」では、米金利上昇、株価上昇、仮想通貨上昇、米ドル高となりました。

 しかしここに来て、就任前後に進んだ「トランプトレード」の巻き戻しが起こっています。

 米10年金利は大きく低下しました。トランプ大統領の就任前は4.8％前後まで上昇していましたが、現状4.3％を割り込んでいます。

米10年債利回り 日足

（出所：TradingiView）

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トランプ政策のやり方は性急過ぎる。経済混乱から米経済失速の懸念も

 ベッセント米財務長官は「トランプ大統領と私は、米10年債の金利を重要視している」と発言しました。FRB（米連邦準備制度理事会）のパウエル議長に圧力をかけることはせず、彼は彼の仕事をすれば良く、「トランプ大統領の政策を進めれば、自然と米10年債金利は低下する」とまで発言しています。

 トランプ大統領の政策はインフレ的なものが多いので、そこはどうなのか？と思いますが、ベッセント米財務長官は「規制緩和、そしてエネルギー価格が下落することでインフレは抑制される」としています。

 そんなに上手くいくのか、疑問になります。ただ重要なことは、トランプ大統領は本当は何をしたいのか、ということでしょう。

 ダボス会議では、戦争を終結させ、エネルギー価格を抑え、そうすればパウエル議長に利下げさせることができると言っていました。

 最近は防衛費も含めて、政府支出を抑えることに熱心です。米ドルのレベルにもたびたび言及しています。

 つまり、戦争を止めさせ、資源価格を下げ、金利を低下させ、米ドル安にし、米国の労働者が恩恵を受ける社会を作りたいということではないでしょうか。これは、単なる政権交代を超えて、トランプ革命と言えます。

（※筆者提供）

 しかし、焦っているのか、やり方が性急すぎる感じがします。関税を引き上げれば、企業の経済活動に大きな影響を及ぼすでしょう。多くの米企業は関税引き上げに反対です。当初の目論見と違い、経済混乱から米経済が失速する懸念もあります。

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米ドル/円はリバウンドなしで円高トレンドに入ったか？

 年初に考えたプランでは、夏に向けていったん米ドル/円はリバウンドするかなと想定したのですが、すでに円高トレンドは始まっている可能性もあります。今年（2025年）は円高になる、そう考えています。

（※筆者提供）

 ユーロ/円は、きれいなヘッドアンドショルダーを完成しつつあるように見えます。155円辺りのネックラインを割り込めば、要注意でしょう。

ユーロ/円 日足

（出所：TradingiView）

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