「出来たらいいね」くらいのユルい妊活を目指すことになった僕ら夫婦は、セックスレス解消の第一歩として普段妻が一人で使っているダブルベッドの上でそれぞれ掛け布団にくるまり、背中合わせに眠ることから始めてみたが、僕のイビキが異常にうるさいために頓挫し、以来、別々に寝ている。元の木阿弥だ。 妻の言うことを信じるならば、僕のイビキは爆発音のようなものらしい。とても隣で眠れないと妻は言う。なるほど、それなら年明けからでもイビキ対策をしようと僕は楽観的にのんびり構えていた。 今朝、気の引き締まる仕事初めの朝の食卓で、妻が、食べながらでいいですからと話を切り出した。「実はキミのイビキを録音しました。どれだけ大きいのか知っておいてほしくて」「いつの?」「元旦の夜です」初夢の夜にイビキを録音されていたようだ。ちなみに僕の初夢は、寝転んでいるローション塗れのビキニ・ギャル軍団の上を裸の僕がスーパーマンの要領で滑