漫画「米吐き娘」を知ってますか? ちょっぴり変わったタイトルだけれど、決してグロテスクな内容じゃない。恐れ多くも五穀豊穣(ほうじょう)の女神様の末裔(まつえい)であるヒロインが、某県の推進する「もっとごはんを食べよう」運動を成功させるべく、悪戦苦闘するコメディーなのだ。作者は「白飯さえあればおかずは無用」と豪語する姫路市在住の新人・古林海月(ふるばやしかいげつ)さん(38)。さわやかな笑いと涙を出し切った後には、あなたもきっとご飯が食べたくなる。(平松正子) 〈山田みのりは米吐き娘。一日四〜五回、年間約三百六十キロの精米を吐く〉 物語は毎回、こんなフレーズで始まる。主人公・みのりは二十二歳。特異体質ゆえに仕事も長続きせず、母親と二人、吐き米を売って細々と暮らす。だが、県庁の「ごはん運動」担当課でアルバイトを始めるや、にわかに本領を発揮。コメの消費拡大に立ち上がった―。 実は、作者の古林さん