第34回 “信用”を得ることがリスクマネジメントの近道 ~リスクに強くなる自分づくり(3)~ コンサルタント 牛場 靖彦氏 2006年2月28日 目先の利益にのみこだわるな 世間から「信用」の二文字をもらうことは、非常にむずかしい。 最近の日本では、ほとんどの人たちが、カネ、カネ、カネとおカネの盲者となり、カネもうけのうまい人がエライ人だ、と錯覚している傾向がある。 あまり先のことばかり考えて、遠大なソロバンをはじき、「今月」または「今年」が行きづまるようでもいけないだろうが、「今年末だけの数字の辻つまが合えばよい」といったケチなソロバン勘定だけは、弾かないようにしたいものだ。 甲州出身で小池国三商店(後の山一証券)を設立、兜町で証券業の発展に尽力し、多くの人々から信望を集めた小池国三氏は、晩年、後進から事業成功の道を問われたとき、常に「信用の袋を縫え」と語ったという。その