新連載の本コラム「ビジネスを考える目」は、コンサルタントの鈴木 貴博氏(百年コンサルティング 代表取締役)。鈴木氏が、日常生活 や仕事の場面で気づいたちょっとした「ビジネスのヒント」を毎週紹 介してもらう。携帯電話からユニクロまで、「消費者」と「ビジネス」 のちょうど中間に立った視点で、日本のビジネスをじっと見つめて、 考えるコラム。 北京五輪の成功で、中国は名実ともに大国の仲間入りを果たした。アジアのもう1つの大国、インドもそれに続こうとしている。今や、日本をはるかに越える期待値を世界から集めるこの2カ国――。 だが、つい10年前までは、いずれも成長市場だとは認められていなかった。それは、なぜか。 その点を振り返ってみると、日本の未来と重なる1つのキーワードが浮かび上がってくる。それは“貧困の再分配”である。 ガンジー、ネールの時代に独立を勝ち得た後、インド政府の目は国民に向けられていた