涙が止まらない。4年連続の夏の甲子園出場を絶たれた王者・横浜だけでなく、胸を張りながら校歌を誇らしげに、あらん限りの力を振り絞って斉唱する県立相模原の選手たちも号泣している。2019年7月25日。全国屈指の激戦区・神奈川の高校野球史で、最大と言っていい番狂わせが起こった。 横浜スタジアムで行われた神奈川県大会準々決勝の最後の一戦は、プレーボールからわずか5球で、第1シードの横浜が2点を先制する。3番のキャプテン、内海貴斗内野手(3年)の豪快な2ランが右中間のスタンドに飛び込んだときには、一方的な展開になるかと思われた。 しかし、ノーシードおよび公立勢として唯一勝ち上がってきた県立相模原もしぶとく食い下がる。先制された直後にスクランブル登板したエース、天池空(3年)が3回表に1点、5回表に2点と追加点を許しながらも、バックの好守もあってビッグイニングを作らせない。 3回表は飯尾陸斗外野手(3
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