こんにちは!ジョージア滞在も4年目、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
黒海沿岸らしい開放的な雰囲気が漂う、ジョージア第二の都市バトゥミ。
海も山もすぐそばにある環境で、不自由のないシティーライフを送ることができ、近年は長期滞在向きの町としても人気が沸騰しつつあります。
バトゥミで何かに不自由することはほとんどないのですが、たまには少し違う場所の空気を吸いたくなるもの。
あまり時間をかけずにアクセスできる近場で、バトゥミよりものんびりした雰囲気が流れていて、できれば美味しいものも食べられて…
バトゥミ滞在中に極上の休日が過ごせるスポットを探している人もいるのではないでしょうか。
そんな人にぴったりな村が、マヒンジャウリ(Makhinjauri / მახინჯაური)です。
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マヒンジャウリ村は、バトゥミから北に5kmほどの黒海沿岸に位置する小さな村。
バトゥミから車でたったの15分足らずですが、雰囲気は大きく変わります。
海の水質は跳ね上がるほどに良くなり、緑でいっぱいの美しい自然風景もたくさん。
開発の波はすでに到達しつつあるものの、まだまだ素朴な雰囲気も色濃く残っているのが素敵です。
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またマヒンジャウリには、村の規模を考えると信じられないほどに多くの飲食店が点在しているのも魅力的。
「ジョージアの食いだおれの町」として名を馳せるバトゥミも食堂のレベルはかなり高いのですが、マヒンジャウリも負けてはいません。
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黒海の美しいビーチも、素朴な風景も、極上グルメも…さらには隠れた天然温泉まであるマヒンジャウリ。
バトゥミからたった15分で(しかも15円で)アクセスできる場所に、こんなに極上の休日を楽しめる村があるのは奇跡的だと思います。
というわけで、今回の記事はマヒンジャウリの観光情報を解説するもの。
マヒンジャウリは観光目的で訪れるよりも、都市を抜け出してのんびりと一日を過ごす目的で訪れるのに向いている場所。
バトゥミ滞在中にちょっと気分転換したくなったときに、サクッと足をのばしてみるのがおすすめです!
マヒンジャウリの見どころ
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数年前までは、バトゥミのすぐそばにありながらも開発の波がやって来ていなかったマヒンジャウリ。
しかしここ数年で状況は大きく変わり、道路沿いにはタワーマンションが何棟も同時進行で建設中です。
村には素朴な雰囲気がいまだに漂ってはいますが、これがいつまで残ってくれるかは未知数。
「バトゥミの新都心」として一躍脚光を浴びてしまう前の今こそ、この村の良さを味わうのにぴったりなタイミングなのかもしれません。
マヒンジャウリ観光マップ
赤:おすすめグルメスポット
黄色:主なバス停
亜熱帯な南国風景!緑の岬&バトゥミ植物園
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マヒンジャウリ村の最も北に位置するのが、バトゥミ植物園。【マップ 青①】
敷地はかなり広大で、亜熱帯性気候の地域らしい植物が多く植えられて南国ムードを演出します。
バトゥミ植物園は「バトゥミの必見観光スポット」として紹介されることも多いのですが、個人的にはそこまでして入園するべきかどうかは微妙だと思います。
その理由が、あまりに高すぎる入場料。
外国人は1人20GEL(=¥1000)と、ジョージアの物価を考えるとかなりふっかけてきているためです。
確かに、植物園は広大で半日ほどかけて散策できるので見ごたえはあるのですが、正直20GELも払って草花を見ても…というのがどケチなのぶよの意見です。
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この超高額な入園料のバトゥミ植物園における最大の見どころが、緑の岬(Green Cape / მწვანე კონცხი)。
その名の通り、亜熱帯の植物に覆われた岬のことで、真っ青な黒海とのコントラストがとにかく絵になることで観光客に人気となっています。
「バトゥミで一番の絶景」とされる緑の岬を一望する展望台は植物園の敷地内にあるのですが、敷地外からでも十分に緑の岬の美しさは感じられるので、個人的にはこちらがおすすめ。▼
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バトゥミ植物園の入口ゲートから緩やかな下り坂を黒海方面に歩いていくと、ムツヴァネ・コンツヒビーチ(=緑の岬のビーチ)に到着します。
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ムツヴァネ・コンツヒビーチは、緑の岬を目の前に青い黒海がどーんと広がる絶景ビーチ。
水質はバトゥミ市内に比べると格段に向上するため、夏場は多くの海水浴客で大賑わいとなります。
マヒンジャウリ桟橋
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ムツヴァネ・コンツヒビーチには、マヒンジャウリ桟橋と呼ばれる古いコンクリート製の橋があります。【マップ 青②】
真っ青な黒海に向かってのびる橋は、マヒンジャウリのシンボルのような存在。
見渡す限りの雄大な海の風景と、頭上を飛び交うかもめたち…どこか郷愁を誘うレトロな雰囲気が漂います。
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マヒンジャウリ桟橋の上から眺める浜辺の風景はとても美しく、マヒンジャウリ村全体が見渡せるダイナミックなもの。
遠くにはバトゥミ中心街の高層建造物も見えます。
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また、マヒンジャウリ桟橋は二層構造になっているのですが、この下側はムール貝が大量にとれるスポットとして有名。
春頃になると、桟橋の土台の部分にこびりついたムール貝を地元の子供たちが我先に!と剥がしとる光景が風物詩となっています。
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ムール貝は、ジョージアの黒海沿岸地域の名物として知られる海の幸。
しかしながら、バトゥミのレストランでムール貝料理を注文すると、微妙な調理法で提供されることもしばしばあります。
のぶよたちはとれたムール貝を自分たちでワイン蒸しにして食べましたが、旨味が大爆発してものすっごく美味しかったです。
これはもう、日本人の腕の見せどころ!ムール貝狩りからの魚介三昧をしてみては?
マヒンジャウリ・ビーチ
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緑の岬からマヒンジャウリ桟橋、さらに南へと海沿いを歩いてマヒンジャウリ中心部方面へと向かいましょう。
マヒンジャウリ中心部ど真ん中にある鉄道駅を越えてさらに海側に出た先に広がるのがマヒンジャウリ・ビーチです。
ビーチ自体は何の変哲もない普通の黒海ビーチなのですが、ここでぜひ見ておきたいのがソ連モザイク。【マップ 青③】▼
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真っ青な黒海を目の前に望む場所に建てられた、謎の建造物。
その壁に描かれたソ連時代のモザイクは、青を基調として黒海の海沿いの村らしい雰囲気が表現されたものです。
建造物自体は完全に放置されているようすだったのが、なんとももったいないところ。
海とソ連モザイクを眺められるカフェでも開いたら流行りそうなのですが…(そんなことはない)
そして、このマヒンジャウリ・ビーチにはもう一つの顔があります。
それは、黒海に沈む夕日に照らされる時間帯の夕景。
のぶよ的には、マヒンジャウリの夕景はジョージアで最も美しいと思います。▼
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ジョージアの黒海沿いの町はどこも西向きに開けているため、どこからでも極上の夕日が見られるのですが、マヒンジャウリから眺める夕日は格別。
バトゥミの摩天楼が漆黒の影となり、燃えるようなオレンジ色の空を背景にした絵画のような風景となるためです。
また、マヒンジャウリ・ビーチ付近には野生のイルカが生息しているのもポイント。
イルカたちは夕方になると回遊する習性があるそうで、運が良ければ極上の夕景を背景にジャンプするイルカの群れ…という映画のような光景が見られるかもしれません。
マヒンジャウリ温泉
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マヒンジャウリの幹線道路沿いから内陸方面に入っていくと、海沿いの町とは思えないほどの山岳部らしい緑あふれる風景になっていきます。
中心部から歩くこと15分。数軒の家があるだけの集落にぽつりとあるのが、マヒンジャウリ温泉。【マップ 青④】
「え…これが温泉…」と驚愕すること間違いなしの、限界掘っ立て小屋の中に湧いています。
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掘っ立て小屋の中は湯けむりと温泉特有の香りが充満しており、着替え用のスペースと浴槽(というか、大き目のタライ)があるだけの二畳ほどの激狭空間。
鍵もかからず、道路そいにぼろぼろの小屋があるだけなので、入るのはかなり勇気が要ります。
雰囲気こそ完全なる世紀末ですが、マヒンジャウリ温泉の泉質は文句なし。
湯温は38℃ほどの適温&無色透明のぬめっとした湯ざわりが特徴的で、かなり強めの硫黄臭が、温泉気分を盛り上げてくれます(まあ、湯舟から眺める風景は完全に終わっているけど)。
温泉の利用は無料ですが、果たして入浴用なのかどうかは謎。
着替えスペースや衣類をかけるハンガーが設置されていたのでたぶん大丈夫だと思うのですが…気になる人は足湯だけにしておくのが良いかもしれません。
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マヒンジャウリ中心街から温泉までは、1.2kmほどの平坦な田舎道を歩いていくだけ。
途中の小学校の校庭にはソ連時代のモザイクアートが残っているので、こちらも必見です!
マヒンジャウリのグルメスポット
マヒンジャウリ中心部には、小さなベーカリーやローカル食堂がいくつか点在しており、食事や休憩に困ることはありません。
どのお店も価格は安く、食事のレベルが高いのもマヒンジャウリの素晴らしい点。
ここでは、のぶよがマヒンジャウリで心からおすすめしている2軒のお店を紹介します。
Cafe Bar Kolkhida
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「マヒンジャウリで知らぬ者はいない」と断言できるレベルで有名なカフェが、Cafe Bar Kolkhida。【マップ 赤】
マヒンジャウリ中心部の少し南、ソ連時代の集合住宅の1階部分でひっそりと営業しています。
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入口には小さな目立たない看板が一つあるだけでとても分かりにくく、ものすごいソ連臭ただよう建物に圧倒されます。
「え…本当にこんなところにカフェが…?」と思ってしまいますが、ちゃんと営業しているので勇気を出して入ってみましょう。
内装は綺麗にリノベーションされており、洗練されていながらも温かみが感じられる雰囲気。
店内には合計で10席ほどが設置され、ふかふかのソファー席もいくつかあります。
Cafe Bar Kolkhidaのメニューがこちら(ロシア語かジョージア語しかなかった…)。▼
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驚くべきが、カフェとは思えない低価格。
ジョージア都市部のカフェは一般的にかなり値段が高めに設定されており、もはや地元民が利用できるレベルではないことも多いのですが、このお店は完全なるジョージアン・プライスです。
大容量のティーポット入りの紅茶が5GEL(=¥250)/食事メニューは8GEL~12GEL(=¥400~¥600)と、かなりリーズナブル。
この雰囲気のお店でこの価格帯というのは、現在のジョージアでは奇跡的かもしれません。
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フード類は、イングリッシュ・ブレックファストやサンドイッチ系などをメインに、ジョージア料理やボルシチなどロシア料理まで揃ったインターナショナルなラインナップ。
味もかなり美味しく、値段を考えるとかなりクオリティーが高いと思います。
他にも、ちょっとした気遣いやサービス心も嬉しいポイント。
・紅茶を頼むとスイーツが無料でつく
・ジョージア産の紅茶を使用
・ティーポットの下にキャンドルを灯してくれるのでずっと温かいまま飲める
・Wi-Fi完備で長居できる
正直、ジョージアでこうした細やかな気遣いが感じられる店はものすごく珍しいため、感動してしまいました。
地元産の紅茶や素材にこだわっていることが感じられる点も、この店の素晴らしい点。
こうして地域に根差したスモールビジネスを展開している店は、無条件に応援したくなってしまいます。
居心地も良くて低価格、細やかなサービス…と、非の打ちどころのない極上カフェ。
マヒンジャウリでのんびりと休日を過ごす際は、立ち寄らずにはいられないスポットです!
Cafe Bar Lena
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もう一軒、マヒンジャウリ中心部ど真ん中で営業するCafe Bar Lenaもおすすめ。【マップ 赤】
店名にもなっているレナおばあちゃんとその娘のおばさんが、女二人で切り盛りするローカル食堂です。
Cafe Bar Lenaのメニューはこちら。▼
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ジョージア料理の定番系がずらりと揃ったメニューですが、アジャラ地方の郷土料理をアレンジした珍しいものもいくつか置いてあります。
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海沿いの町のローカル食堂感あふれる店のたたずまいからして素敵なのですが、このお店の料理の味はかなりのもの。
特におすすめなのが肉料理で、下ごしらえがしっかりとされているので何を食べても外れません。
絶対に食べたいのが、アチャルリ・ハチャプリの生地にオーストリ(牛肉のトマトシチュー)をたっぷりと詰めて焼き上げた創作ハチャプリです。▼
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のぶよはあまりハチャプリや小麦粉生地系の料理が得意ではないのですが、このビーフシチューハチャプリは大好物。
ふわふわ&さっくり食感の香ばしい生地を、やや濃い目の味付けのビーフシチューに絡めて食べた日には…もう飛べます。
他にもジョージア料理の定番系が色々と揃っているのですが、この店のオジャフリはジョージア全国的に見ても上位に食い込むレベルの絶品。▼
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見た目からして絶対に美味しいことがもう確定しているのですが、味も完璧。
ほくほくのじゃがいもの甘味と、しっかりと下味がつけられた柔らかな豚肉、フレッシュハーブと生玉ねぎの清涼感…すべてのバランスが完璧なのです。
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食堂のたたずまい的には信じられないほどに、高いレベルの食事を提供するCafe Bar Lena。
店の女性陣も気さくで気持ちよく対応してくれるので、マヒンジャウリにお越しの際はぜひ立ち寄ってみてほしいです!
マヒンジャウリへのアクセス・行き方
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マヒンジャウリへのアクセス拠点となるのは、南に5kmほど離れたバトゥミ一択です。
気が向いたときにタクシーでサクッと移動するのも良し。
格安で移動したい場合は、バトゥミ市内交通のいくつかの路線がマヒンジャウリまで乗り入れていて、料金もバトゥミ市内と同額なのでとても便利です。
①バトゥミからタクシー
マヒンジャウリへの最も手軽なアクセス方法が、バトゥミ市内からタクシーを利用すること。
バトゥミ市内のどのエリアから乗車するかによって異なりますが、市内東部のArgoケーブルカー周辺からなら片道5GEL(=¥250)ほどが相場です。
マヒンジャウリ中心街には客待ちのタクシーも多くおり、配車アプリもバトゥミ市内と同様に利用できるので、帰りも困ることはありません。
②バトゥミ市内路線バスor市内マルシュルートカ
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バトゥミ~マヒンジャウリ間はバトゥミの市内交通を利用してのアクセスも可能です。
バトゥミの市内交通には路線バスとマルシュルートカ(乗り合いのミニバス)の二種類があり、マヒンジャウリ方面へ向かうのは以下の路線です。▼
・路線バス(1回の乗車0.3GEL=¥15):6番/8番/10番/10a番
・マルシュルートカ(1回の乗車0.7GEL=¥35):40番/45番
いずれも、バトゥミ中心街の最も東に位置するArgoケーブルカー前のバス停を経由するので、こちらからの乗車が便利です。▼
本記事と同じ順番で、バトゥミ植物園&緑の岬→マヒンジャウリ中心街方面と観光していきたい場合は、バトゥミ植物園前が終点となる路線バス10番/10a番を利用するのが便利。
その他の路線は植物園前までは行かず、数百メートル手前の分岐点付近から植物園入口まで歩かなければなりません。(とはいえ歩いても10分ほどなのでそこまで気にしなくても良いかも)
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バトゥミの市内交通はGoogleMapの経路案内に非対応だったり、専用のICカードが必要だったりと、初めて利用する場合は事前の知識が必要となります。
バトゥミ市内交通利用法や便利なアプリ、ICカード入手方法などは別記事でまとめているので、バトゥミ初心者の人はぜひチェックを!
おわりに
バトゥミ滞在中に時間があるならぜひ足をのばしたい、マヒンジャウリの見どころやグルメスポットを紹介しました。
一日のんびりと過ごすことができますし、バトゥミ市内よりも静かな環境で黒海の潮騒を感じたい人にはおすすめ。
路線バスを利用すれば、片道0.3GEL=¥15と激安価格でアクセスできるのも、嬉しい点です。
バトゥミ周辺には、日帰りで足をのばせるデイトリップ先が他にもたくさん。
観光客はあまり多くない穴場ばかりなので、ぜひこの魅力あふれるエリアを心ゆくまで満喫してみては?
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