小説 上杉鷹山を読んだまとめ
概要

- 作者: 童門冬二
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 文庫
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江戸での改革
内容
ポイント
- 形式主義の排除
- 藩政を変えることは、そこにいる人を変えること。自分自身の生き方を変えること
- 改革には、全面的に方針に賛同した協力者がいる
- 改革を行う上での3つの壁
- 制度の壁
- 物理的な壁
- 心の壁(最も大きい)
- 心の壁を壊すには
- 情報共有
- 討論の活性化
- その合意を尊重する
- 現場重視
- 藩内に愛と信頼の念を回復する
米沢での改革
内容
- 現状
- 侍達の仕事(書類整理、書類の文言修正)は財源を生んでくれる領民にとって全く役に立っていなかった
- 休まず遅れず仕事せず。今の仕事をしているだけで満足している
- 実行
- 全員に現状を報告する(情報開示)
- 目指すことを伝え、協力を申し出る
- 藩の実態調査のため、村を自ら回る
- 過去の改革の成功、失敗要因の分析
- 財源調達方法の考案
- 米沢で原料として採れるものを加工して売る
- 米沢に適した原料を生産
- リソースは武士とその家族
- 加工に必要な技術は他国から人を迎えて教えてもらう
- 変化
- 一部の侍が土地の開墾をはじめる(現場協議結果の申し出)
ポイント
- [1]課題点を全員に共有する(課題認識の共有)[2]目標の明示。[1][2]を基に現場で討論、行動してもらう
- 現場を見て課題を分析
- 過去の成功/失敗要因の分析
- 失敗要因
- 目的が不明確
- 推進者が一部に限られていた
- 主旨を伝えられず実行のみ命じていた
- 改革される側の痛みを理解しなかった
- 士民のみに実行を命じ、自分たちは何もしなかった
- 成功するにはまず失敗しないこと
- 改革はコツコツと日々日常業務の中で行われなければならない。実現しなければならない
- 改革目的に必要なことには惜しみなくお金を使う
- 経済活動を通じて徳をつむことができる方法を考える
改革の浸透と重役の反乱
内容
- 起きたこと
- 重役の反乱
- 将来繁栄への施策としての学校建設
- 学校建設のための領民からの献金
ポイント
- 人は自分を変える努力をせず、人をひきずりおろすことを考える。自分は一切成長していないのに、そうすることで優越感を得る
- 嘘は絶対に許さない。特に上が下の意見をいつわって伝えることを許さない
- 学問は世に役たたなければならない
- 自分を変えるときの障壁は、古い考えへのこだわり。自分のここは絶対に変えられないと思い込んでいること
- 自分のことを一切考えず他人のためにつくす(そんぴん)
竹俣の堕落
内容
- 起きたこと
- 竹俣は目的を早く実現させるためい焦って古いしきたりを復活させた
- その方法は領民に負担をしいるものであり、永続するものでなかった
- 治憲はそのことから竹俣を処断
ポイント
- 難しいのは続けること
- どんなに時間がかかっても清い方法で目標を実現する。汚れた方法によって実現しても永続しない
次世代への伝承。隠居からの政治
内容
- 省略!
ポイント
- 先憂後楽、率先垂範
- 領民一人ひとりを人として尊重する(痛みを知る、声を聞く)
- 目的を実現する過程を大切にする。その過程が生きるということ
- 鷹山の才能:複眼の思考、歴史観、行動力、徳、愛
全体を通して
- 感じたこと
- 外部からのきっかけがないと、集団の中の人はしきたりからぬけられない
- 自分で変化を起こさない限り、いつもの繰り返しで人生が終わってしまう。それは生きているとはいえない
- 問いかけ
- 利益を直接生んでいるのは誰か?
- そこに間接的に関わっている人は誰か?またどのように関わることを期待されているか?
- 利益を直接生んでいる人に対して必要なことをしているか?逆に不必要なことをしていないか?
- 利益を直接生んでいる人、間接的に生んでいる人、それぞれの苦労を理解しているか?