※本稿は、佐野雅代『その場で言語化できるメモ』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
他人の意見に引っ張られるときは、メモが有効
ここからは、実際に1本線メモを使って「言語化」していく流れを、いくつかのシーンに分けて説明していきたいと思います。
1本線メモは大きく分けて3つの種類があります。
②学んだことを言語化して自分のものにするためのメモ
③自分とのコミュニケーションをするためのメモ
それでは、早速、書きはじめてみましょう。
まずここでご紹介するのは、
・その場ですぐに言語化して発言するためのメモ
です。
あなたは、「他人の意見や様々な情報に引っ張られて、自分の考えや気持ちに確信が持てない」「相手の発言にモヤッとするけれど、その原因がわからなくて言い返せない」といった経験はないでしょうか。私はよくありました。
こんなとき、即座に自分の意見が言えたらいいのに……と思いながらも、的外れだったら嫌だなと思って言い出せなかったり、モヤッとしたまま結局うまく言葉にできずに終わってしまったりして、本当にもどかしい気持ちになります。
左側:他の人の発言、右側:自分の考え
このもどかしさを解消するためのコツは、まず左側に「他の人が話した内容」を書いていき、それから右側に「自分が考えたことや感じたこと」を書いていくことです。
はじめのうちはうまく分けられなかったり、右側がなかなか出てこない、ということがあるかもしれません。でも慣れてくると、その場でメモを取りながら、自分の考えや意見を整理して「言語化」できるようになります。
この方法は、会議で意見を伝えたり、セミナーや研修で感想を述べたり、面談やインタビュー、誰かの意見をまとめて報告するときなど、様々な場面で使えます。
ここでは、会議を例にとって、説明していきたいと思います。
会議の事前の準備
まず最初に、真ん中に1本線を引きます。
会議なので、あらかじめ一番上に次のようなことを書いておくとよいでしょう。
左側に
・日付
・議題
・参加者(どんな人でどんな関心を持っているのか)
・自分の役割
右側に
・会議の目的、目指すべきゴール