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ほとんど音楽のことしか書かないであろう日記

2024年総括 その3

<Films>

1.Ryuichi Sakamoto | Opus
2.リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング
3.私立恵比寿中学 EVERYTHING POINT-Parallel Stories-
4.キング・クリムゾン:50年の歩み
5.ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!
次点:トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代、ボブ・マーリー:ONE LOVE、i ai


自分は教授の音楽をまったく知らない人間なのだけど、この『Ryuichi Sakamoto | Opus』は、そういう人間が観ても圧倒される作品だった。全編ビートレスの演奏なれど、(敢えて拾っている)教授の息遣いとペダルの音がこの音楽の(この映画の)脈動になっている。キービジュアルになっているカットを観て明らかなように、全編に渡って圧倒的な映像美で構築されてるし、全カット絵になるというカンジ。凄い。


ヘヴィ・トリップは残念ながら1作目には遠く及ばないけども。でも、監督やキャストのあの口ぶりからすると、すでに3作目の計画があるっぽい? 今回の原題はHEAVIER TRIPだから、次作がHEAVIESTで完結編になるのか???




<お笑い>

1.リクエストライブ「このラバーガールがすごい!」 @ 駅前劇場 2/11
2.や団単独ライブ『3度目の高円寺』 @ 座・高円寺2 6/22
3.ファイヤーサンダー第2回単独ライブ「いいから褒めろ」 @ ユーロライブ 6/26
4.錦鯉独演会「吾輩はバカである」 @ ニッショーホール 7/27
5.ロッチ単独ライブ2024「アポロッチ19号」 @ 丸ビルホール 6/7


スラッシュパイル企画の「この○○がすごい」ってヤツ、前々からあったらしいけど、オレは今回初めて知った。ラバーガールを好きな芸人が(登壇したうえ)ラバーガールにやってほしいネタをリクエストするっていう内容で。ベストヒットネタ+オーディオコメンタリーみたいなことで、めちゃくちゃ面白かったな。


あとは、キングオブコントでも闘ったファイヤーサンダーとや団。2組ともネタ自体が極上レベル。演者としての力量も高いし、すごく満足度の高い内容なんだよなあ。この2組は2025年も追いかけたいね。


一方、テレビ露出の多い“超”人気者クラスに関しては、チケットことごとく取れなかったわ。音楽の世界以上に争奪戦なんだよな、必然的に。

2024年総括 その2

<Tunes>

1.iri 「Run」

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2.SUPERCHUNK 「Everybody Dies」

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3.NewJeans 「How Sweet」

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4.JANE'S ADDICTION 「Imminent Redemption」

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5.MAXWELL 「Simply Beautiful」

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アルバムのリリースこそなかったものの、今年も曲を連発したiri。オレは行かなかったけど、武道館公演の当日にリリースされたのがこの「Run」で。捨て曲がひとつもないアーティストiriの真の最高傑作がここに爆誕。・・・とまで言ってる人は見かけないけど、オレはホントにそう思った。超カッコイイ。


JANE'Sは久々にオリジナルメンバーが勢揃いしての新曲だってのに、あんなことになって本当に悲しい。悲しすぎる。というか、悲しみが止まらない。あんなことになった後、もう1曲出したのが「True Love」って、皮肉が利き過ぎてて笑えない。まったく笑えない。バンドの周辺の人たちは「あれはもうダメだな」って思ってるみたいだけど、オレは信じて待ちたいよ。信じて待つ!


あと、Maxwellはもう本当にいい加減アルバム出してください。ってか、Dの4枚目のアルバムのほうが先に出るなんてこともあり得るかも。


そのほか、よく聴いた曲はこちら。


<Live Performance>

1.TIM CHRISTENSEN @ CLUB CITTA川崎 9/15
2.GEZAN @ 日比谷公園大音楽堂 8/4
3.THE ROOTS豊洲PIT 12/27
4.JOSE JAMES @ Billboard LIVE TOKYO 9/3
5.STARMARKET @ 新代田FEVER 4/17
次点:SUPERCHUNKMR.CHILDRENNOFX


1年前の総括では「次はTimのソロ公演が観たい」と書いたわけだが。まあ、可能性は低いだろうと思いながら書いたんだけども。それが実現したってことで、このうえない喜び。実際のところ、繰り返し鑑賞した家宝のようなDVD作品『LIVE AT ABBEY ROAD』に収められた名演と並ぶパフォーマンスだったかと言われれば答えは全然否(2Daysのうち特に初日はミスも目立ったかな)なんだけど、それでも、観たいと願っていた内容のパフォーマンスを目撃できたんだから、本当に幸せってもんよ。Timのキャリア史上『HONEYBURST』が最高傑作だって疑わないし、その全曲を聴くことができたんだもんね。
こうなると欲が出てきて『SECRETS ON PARADE』の完全再現ライヴも観たいなって思っちゃったりして。日本のファンが味わうことのできなかった体験を全部回収したい。w


思い入れを抜きに考えれば、ホントはGEZANを1位にすべきではある。今年はこの野音ワンマンの他にもZAZENとのツーマンも観たけど、その日も最高だった。Million Wish Collectiveとの活動を終え、Adrian Sherwoodとの対バンを経ての今のモード。ダブセットの充実度が半端なくて満足度が最高だった。あそこで披露された楽曲たちが収録されるってことなのであれば、次のアルバムは極めて強力な一枚になりそうね。楽しみ。


前回Billboard LIVEで観たのがオレにとって(多くの日本人にとって)9年ぶりのROOTSだったわけだけど。でも、あの日はオレの座席がサイアク中の最悪で。一番端っこの一番奥ってカンジのところで。「えっ、これ金払わなきゃいけない席なの?」ぐらいのカンジ。あれはもはやライヴ観るための席じゃなくて「人から隠れるための席」だよ。しかも、あの東京公演の日だけスーザフォンのメンバーいなかったんだよな。他の公演地ではいたらしいんだよ。
だもんで、ちゃんとROOTSのライヴを観るのは11年前のO-EAST公演以来といえそう。いやー、最高だったね。最高に踊れたね。多分この10年で一番踊った気がするわ。オレは後ろのほうで観てたんで、ステージあんま見えなかったけど。でも、緑のニット帽かぶった?uestloveの姿はちゃんと見えてたよ。それだけで御の字でしょう。極論、?uestloveのビートだけで白飯イケる(踊りはかどる)のだから。
昔はこれが毎年観れてたのになー。


『1978』っていう音源自体も当然悪くはないんだけど。でも、まあ、ライヴで聴かないとね。今回音源にはBIGYUKI参加していないんだけど、日本公演はBIGYUKIが参加。公演地ごとに多少メンバーの変動があるみたいだけど、ドラムはもちろん固定でJharis Yokleyその人。ほぼJharis目当てで観に行ってるといっても過言ではない。Joseって凄いドラマーしか連れてこないけど、Jharisは歴代でもトップクラスじゃない? んで、BIGYUKIとの絡みが絶好調。
音源でも弾いてるギターのMachadoも最高の演奏をしてた。ひとつだけ惜しむらくは先行配信曲のひとつだった「38th & Chicago」を演らなかったこと。あの曲こそMachadoのソロを最大限に堪能できる曲のはずなのに。オレが観たセット以外では演ってたのかな???


STARMARKETはね、もちろん来日してくれて嬉しいし、新作シングルというオマケまで付いてきたのも嬉しいけれど。本音を言えば5年前の公演のときとセットリストを大胆に変えてくれたほうが嬉しかったかな。まあ、つまり、『ABANDON TIME』の曲をあと1~2曲増やしてくれたらなあ、って(前回と同じく「Cologne」しか演らなかった)。とはいえ、彼らのバンド史上で最長のセットリストだったなんて話を聞かされたら「素晴らしいセットをありがとう!」としか言えないわな。
これからも活動続けるのかもしれないし、また来日してくれたら嬉しいね。


そのほか、観に行ったライヴはこちら。

2024年総括 その1

<Albums>

1.COMMON & PETE ROCK『AUDITORIUM, VOL.1』
The Auditorium Vol. 1
まさしくオジサンのオジサンによるオジサンのための音楽。もちろん、オレもオジサンの端くれだから、この音楽に心の底から共感できるし、この音楽を心の底から愛しておるよ。ラップもビートも極上。
「Wise Up」が出たのと同じ時期にNasとPremoのタッグも「Define My Name」をドロップしたんだよね。そのとき、個人的にはCOMMON & PETE ROCK組の圧勝だと思ったんだけど、でも、これがアルバム1枚分の勝負だったら、総合力に勝るNas & Premo組の勝利に終わるのかなあ、とも少し思った。結果的にNas & Premo組のアルバムは年内にドロップされなかったけど、この内容だったら、決して負けることはなかったであろう。
ヴァイナルで聴いたら長すぎるかもの尺だけど、CDなら問題ない程度の尺だよね。正直な話、PETE ROCK & CL SMOOTH名義以外のPeteの仕事を(何枚か持ってはいるものの)追ってきてないので、今回の作品が「好調を維持してきたうえでの当然の結果」なのか、「COMMONと組んだ化学反応による突然の快作」なのか、そこを正確に把握できていないんだけどね。
で、本当はBOOM BAPっていうタームは必要ないと思ってる。だって、これこそがHIP HOPだし、これしかHIP HOPじゃないから。・・・なーんて血迷い言を吐きたくなるほどの快作。
たとえば、R&Bの世界であれば、Beyonceみたいな自作自演型の人に比べてMary姐さんみたいな「楽曲を提供してもらって」やっていくタイプの人は(キャリアを築くうえで)不利だよね、みたいな言説があるけども。それでいうと、COMMONは色々なプロデューサーと組んで多くの傑作をモノにしてるわけで、そのキャリアの歩み方は改めて凄いなと。個人的には「好きじゃないアルバム」も複数枚存在するけど、でも、少なくとも「あの人は今」のポジションに陥ったことは一度もないもんな。


2.THE BLACK CROWES 『HAPPINESS BASTARDS』
Happiness Bastards
『SHAKE YOUR MONEY MAKER』の30周年のためにリユニオンと聞いたときのオレ自身の反応は、まあ、結構微妙なものだった。というのも、2015年の解散以降、オレは(CHRIS ROBINSON BROTHERHOODとTHE MAGPIE SALUTEの作品としての評価も加味しつつ)Richの肩を持つって決めてて、しかも、MAGPIE SALUTEの来日公演も最高に楽しめて「一生Richについていく」と決心を新たにしたんだからね。その年のうちにリユニオンがアナウンスされて「ふーん」ってなカンジだったけども。
カヴァー集EPのリリースと『SHAKE YOUR MONEY MAKER』再現ライヴの日本公演も経て、純然たる新作アルバムのリリース。でも、これが最高の内容だったんだから手のひら返したように諸手を挙げて賞賛するまでの話。正直、彼らのアルバムに駄作なんてほぼないと思ってるような人間だから、そんなオレが言っても説得力はないんだけど、楽曲の充実度が最高レベル。BLACK CROWESの新作を聴くのが20年ぶりの人だろうが、解散前のアルバムまで聴き続けてた人だろうが、1曲目を聴いた瞬間にガッツポーズでしょうね、これは。ソングライティングの充実ぶりもさることながら、プロダクションもすこぶる良好。Jay Joyceってオレは初めて聞いた名前だけど、ChrisとRichの指名でアサインされたようだし、ホントいい仕事してる。ガツンとくるロックンロールのパワーをたたえつつモダンな音作り。理想の音像だわ。
『SHAKE YOUR MONEY MAKER』再現ライヴは、あのアルバムが日本でも人気あるから実現したと思うけど、今回のアルバムではどうだろうね。こんなにも素晴らしいアルバムが出たのだから当然ライヴで体感したいのだけど。ウドーさん? どない?


3.私立恵比寿中学 『indigo hour』
indigo hour (通常盤)
アルバムらしいアルバムを作ってくれたなあ、という印象だし、それがとても嬉しい。先行シングルやらタイアップやら諸々含んでるのに、アルバムとしてまとまりがあるのはお見事。
「Summer Glitter」が出た時点で方向性の転換に関する論争があったらしいけど、自分はTikTokとか見ないし、そことは無縁でいられた。だから、完全にフラットにこのアルバム作品に触れることができたのも良かったんだろう。
このインタビューを読んで、三頭体制での制作が奏功していることがわかった。
自分は残念ながら、ツアーのチケットを手に入れることができなかったので、現場ではどんなだったかはわからない。三頭体制ではない???
ただ、Everything Pointでチラっと見た(本作の収録曲ではないけど)えまの「I'll be here」は素晴らしかった。涙出るレベル。


4.Aooo 『Aooo』
Aooo
素晴らしいアルバム。メンバー全員がソングライティングを担当していて、そのうえで、つまんない曲が一曲もない。つまり、四者四様にポップセンスを備えているということ。本当に凄いことと思う。
いくつかの楽曲の歌詞で赤い公園を示唆するワードやフレーズが散見されるわけだが、インタビューでも赤い公園の名前を挙げているわけで、「物語の続き」を感じ取るのはそんなに間違った考察じゃないんだろう。そう思って聴いたら「水中少女」とかはホントに泣くわ。
メンバー全員にそれぞれの活動があるバンドなので、今後の動き方がどんなカンジかは読めないところだけど、、、ライヴ演りまくってほしいし、作品も作っていってほしいね。
ただ、本盤、大きな難点があって、それはCDの音作りの点。ギターとか完全にシャリっちゃってる。今回、アルバムのクレジットのドアタマで井上うにさんがRecording, Mixing and Sound designとして記載されているけども。どうなんだろう。氏の手掛けた他の作品を赤い公園しか知らないので、これが彼のシグネチャーな音像なのかどうなのか判断できないんだけど。でも、少なくとも『THE PARK』も『熱唱サマー』もこんな音じゃない*1わけだからな。一方でMasteringっていう項目のクレジットは見当たらないんだよな。うーん。「ちょっと気になる」っていう程度の話じゃないので、この点がなければもっと上の順位にしてたわ。それぐらいの傑作。


5.PEARL JAM 『DARK MATTER』
Dark Matter
前作以外は全部持ってるけど、リアルタイムで新作を聴いたのはマジで初めて。どういう風の吹き回しで聴くことになったかというと、例のプラネタリウム試聴会がきっかけで。ファンでも何でもないから軽い気持ちで応募したんだけど当たっちゃって*2。まあ、星の投影は置いといて、やっぱり、あの暗闇のなかで音だけと対峙するっていう体験が良かったよね。本当にガチの力作なんだということがハッキリわかった。
STONESの最新作での奇跡的手腕が高く評価されたAndrew Wattが、ここでもプロデュースを担当。話聞くと、どうも(STONES愛を超えるぐらいに)PEARL JAMのガチフリークらしいな。そのうえで、絶妙な距離感・サジ加減で仕事をしたのだろう。プロデュースっていうけど、実際にはソングライティングにもガッツリ関わってる。さらには、サポートのJosh Klinghofferのクレジットがある曲もあるしね、ギタリストが勢ぞろいして作り上げたギターオリエンテッドなアルバムといえそう。そのうえでMike McCreadyのリードギターがふんだんに入っているのも嬉しいポイント。
自分はPEARL JAM観たことないけど、最後の来日から20年経ってるらしい。こんな素晴らしいアルバムを堪能したら、当然ライヴが観たくなるけど、、、まあ、難しいか。。。


6.GEORDIE GREEP 『THE NEW SOUND』
The New Sound [国内盤CD / 解説書・歌詞対訳付き / ボーナストラック追加収録] (RT0499CDJP)
black midi活動停止と聞いてもちろんショックだったし、今でも残念に思ってはいる。「ソロとバンド両立できるでしょ」って言いたくはなる。まあ、でも、「Holy Holy」が出た時点で、このクオリティの作品を出されたら文句も言えないわなという結論に。だから、ホントは「ドラムはやっぱりMorganのほうがいいじゃねえか」とか言ってやりたい気持ちもあったけど、もう諦めて降伏することにしたわ。
超力作のアルバム(に込められている情報量)を、正直咀嚼し切れてはいないけど、それでも聴き応え十分の一枚。
肩書というのか属性というのか、ギタリストとかフロントマンとか色々あるなかで、今のGeordieは作曲家という自覚が強いのかもね。各種インタビューを読んだ印象では。
2025年2月の来日公演のチケットは確保してある。その「咀嚼し切れていない」部分の答え合わせができる場になるのか、それとも、音源とは全然別モノの世界を構築するのか。まあ、「公演地ごとにバンドメンバーをごっそり変えたい*3」旨の発言から考えると後者のほうが可能性高いのだろうけど、とても楽しみであることは事実。


7.NAO YOSHIOKA 『FLOW』
Flow
もちろん、音楽を生業にしている人々のなかでコロナ禍の影響を受けなかった人なんて一人もいないと思うんだけど、でも、海外展開を本格化させていた彼女たちのような人は一番ダメージが大きかっただろうな。そこでホントに沈み切ってからの復活の一枚。でも、あせらずじっくり作ったのが素晴らしい。2020年以降のシングル単位の曲は収録せず、ガッツリとアルバム用のセッションで制作した模様。それが奏功してるのがハッキリわかる。だって、前作アルバムと比べて楽曲の充実度が桁違いだもの。とりあえず、これまでのキャリアの最高傑作になったのは間違いないかと。


8.DOS MONOS 『DOS ATOMOS』
Dos Atomos [Analog]
まあ、ハードルは高くなっちゃってた気はする。「第1期は終わりで、次はバンド形態になります」って宣言してから1年以上の時を経ているわけで、リスナーそれぞれに想像(妄想)をふくらます時間があったわけだから。正直、先入観一切なしで聴いたほうが良かったとは思ってる。
でも、リスナーとしてのオレの最大の落ち度はフラットな姿勢で本作に触れられなかったことではなく、本作のレコ発を見逃したことで(先に他の予定が入っちゃってた)。その後、3回ライヴを観る機会には恵まれたけど、そのどれも生ドラムではなかったからなあ。やっぱ、あのレコ発を目撃した人とそうでない人とでは、本作の理解度にも差があるかもなあ、と思って。
とりあえず、没のインプットの割合が増えたことが客観的な評価における肝になるのかな。元々没ファンのオレとしては全然アリ。アリのなかのアリ。アルバム全体が平板にならないことを好むクチなので、今後もどんどんインプットしてどんどんカオスしていただければと。


9.MARY J. BLIGE 『GRATITUDE』
Gratitude
この年間ベストの10位以内にはランクインさせなかったものの、前作『GOOD MORNING GORGEOUS』はいいアルバムだったと思ってる。でも、それ以上に気に入ったのが今作。前作は(シーンの最先端とはいわないまでも)時流への目配せも含まれてたと感じるけど、今回はそこバッサリ落としてオーセンティック一直線なカンジ。COMMON & PETE ROCKの項で書いた「オジサンのための」にそのまま通ずる話やね。複数のプロデューサーが起用されているけど、Jermaine Dupriの名前が出てきたりして、まさに「あのころの」リスナーに捧ぐ内容でしょう。
それでいてアルバムタイトルが「感謝」だもんな。長年姐さんの音楽を聴き続けてきた人は本作を聴いて幸せな気持ちになるんじゃないかな。オレはなったよ。でも、また来日してくれたらさらに幸せ。2017年が最後だっけ? 実現の可能性が低くないうちにどうにかならないかなあ。
ちなみに、「Nobody But You」っていう曲は2014年作『THE LONDON SESSIONS』にもあるんだけど、まったくの同名異曲みたいだわ。


10.ORANGE GOBLIN 『SCIENCE, NOT FICTION』
Science Not Fiction
Hikkiのベスト盤は『SCIENCE FICTION』だけど、このアルバムはその真逆で『SCIENCE, NOT FICTION』。自分はこのバンドの新譜をリアルタイムで聴いたのは初めて(これまでのカタログは中古でしか買ったことなかった)。
なぜ突然リアルタイムで聴いたかというと、やっぱり、来日公演が大変素晴らしかったから。実はライヴを観たのも初めてだったんだけど。耳栓を持参しかなかった人には最悪の音響だったみたい*4だけど、オレはちゃんと持っていったので極上サウンドを味わえた。
来日公演のときはちょうどリードトラックが公開されたばかりのタイミングで、ライヴではその曲しか演らなかったけど、他の収録曲も総じてクオリティ高し。DOOMとかSTONERとか、そういう狭い範疇のお話ではなくて、「HEAVY METALを好きで良かった」と心から思わせてくれる好盤。あと、アルバムタイトルにもあるとおりで、過去を経て現在を生きるオジサン視点の詞作面も読み応え十分。
このアルバムの曲も聴きたいから、また来日公演実現するといいな。


次点:J MASCIS、MELT-BANANA、FRIKO、FLO


まあ、もう数年来フィジカル派(厳密に言うとCD派)は追い詰められてきたわけだけど、この2024年はいよいよトドメの年だった気もする。象徴的に思えるのが『COWBOY CARTER』で。例のTOWER渋谷でのサイン会のときにはCDが持ち込まれて、これを買った人に参加券が配られたわけだけど。でも、フタを開けてみたら4曲少ない不完全版だったそうで。で、てっきり、1~2ヶ月後には完全版がリリースされるんだろうと思って待ち構えてたら。結局出なかったな。超大物ですらCD出さない既定路線が確立しちゃった感があって。こっちとしてはトドメの一撃だったなと思ってる。苦笑
Kendrick Lamarはどうだろうね。1~2ヶ月後にCD出るかな? 出たらじっくり聴くわ。
大好きな311の新譜はかろうじてCDのリリースあるみたいなんだけど、年内には間に合わなかったな。注文はしてあるので、届いたらじっくりゆっくり楽しむよ。
で、年の瀬になってDOWN BY LAWの新作が夏に出てたことを知った。今から聴いても間に合わないので、年明けてじっくり聴くわ。Dave Smalleyのがん闘病のニュースは伝わってきたけど、退院したとか新作できたとかは(日本語メディアでは)ニュースにならない。報道に偏りがあって実に困る話。がんには打ち克ったけど、治療費はべらぼうだったらしいから、ちゃんとフィジカルで買って少しでもDaveに還元されるようにするよ。

*1:『熱唱サマー』に関してはMastered at STERLING SOUNDっていうクレジットがあるね

*2:ガチ勢なのに落選した人いたら申し訳ない

*3:松丸契の出演が決定!これは嬉しい。

*4:オレ自身も耳栓外したり付けたりして聴き比べたけど、確かにベースの出音デカすぎてギターの音が埋没しちゃってた

311 DAYの配信を観た

コロナ禍のときにストリーミングライヴを観るという文化が定着したけれど。せっかく時空を超えられるのだから海外勢の配信こそ観たいっていうマインドだったのに、当時海外は見逃し配信の考え方が定着してなくて、全然観られなかったのよね、海外勢。WiLDHEARTSぐらいじゃないかなあ、観たのは。
時は流れ、その後ローンチされたVEEPSっていうプラットフォーム。オレはこのプラットフォームを今回初めて知ったのだけど、フツーに見逃し配信も対応してるのな。


それなら是非と思って、311 DAYの配信チケットを買ってみたよ。
311は1月に14年ぶりの来日を果たしたけど、まさかの「演奏時間たった50分」で誰もが消化不良だったからね。2 DAYSの両日とも足を運んだから合計では100分観られたことになるけど、とはいえ、やっぱり短すぎるでしょうが。
だから、その補完の意味合いで配信チケット買ってみた。


ウチの視聴環境は、

ってカンジ。

とりあえず、画質・音質ともに問題はなかったな、VEEPSのストリーミング。タイムシフト視聴のときはシークバー触っちゃうと、さすがに重くなる印象はあったけれど。


1月の来日公演も演奏そのものは極上だったんだけど、今回の配信も最高の内容だったわ。長丁場のライヴだから、色々なアルバムからの曲を演るわけで。個人的ハイライトは「Juan Bond」「Jackpot」「Sever」あたりかなあ。まあ、でも、「Jackpot」だけは、こういう機会じゃなくてもセットリストの常連にしろよって思うよ。ファン10人中10人がアガる必殺のキラーチューンなのだから。


コメ欄も盛況だったねえ。日本語の投稿も散見されたな。あと、そこで投稿されてた内容から知ったんだけど、バンドは新作のレコーディングを済ませてるとか。じゃあ、今年新作が聴けるのか。楽しみ。
んで、それに関連して投稿してるコメントが散見されたのだけど、新作はTURNSTILEに影響された要素も含まれるのではという話があるみたい。なんでも、Nickが最近のお気に入りとしてTURNSTILEの名を挙げてるらしく、SNSでTURNSTILEのカヴァー動画をアップしたとか?
んで、この日はその新作からも1曲だけ演奏してたわ。「You're Gonna Get It」っていう曲らしい。


結局合計3時間のショウで、40曲以上を演奏。これを1週間タイムシフト視聴できたんだから、2500円というチケット代はなかなか割安に感じたな。VEEPSなかなかイイかも。




311 DAYはねえ、2010年に一度だけ現地まで観に行ったのよな。旅程の組み方をミスっちゃって、到着したその日にライヴを観るスケジュールになっちゃった。10時間以上のフライトの後、荷物をホテルに置いたら会場まで直行して3時間オーバーのライヴを観るっていう強行軍。どう考えても間違ってる。苦笑
まあ、でも、あの日は席も良くなかったんだけどね。ステージの後ろまで観客席がある360度のレイアウトだったんだけど、オレはちょうどステージ裏。とほほ。
人生であと一回は現地に観に行きたいなあ。ってか、たとえば、2年後とかね。
エスケープ from スギ花粉っていう意味でも3月に海外渡航ってのは良さげよね。


P.S.
このストリーミングライヴとは関係ない話なんだけど、こないだTINY DESKに311が登場。嬉しすぎ。

www.youtube.com

とうとう20周年

このブログ、とうとう20周年。いやはや圧倒的に恥ずかしい話だなと思う。

  • 廃れたメディアを使い続けていることも
  • 実質的には5年程度分しか更新してないのに「20周年」と言い張っていることも
  • 「やめる」という思い切りの良さがないことも

そのすべてに「恥ずかしい」という表現がピタリと当てはまると思う。


一方で、今でも更新を続けておられるブロガーの方々には敬意の念しかない。検索で見つける機会は少なくなってしまったが、偶然興味深いブログを探し当てることができたときはフォロー先として追加するようにしてる。やっぱ一番芯食ってるからね、個人ブログこそ。









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