先日のTwitterでこんなことを書いたんですけど、
子どもが特定の絵柄・作風にハマるときはあって、
— 斗比主閲子 (@topisyu) November 9, 2018
せなけいこ、長谷川義史、川端誠、あきやまただし、五味太郎、原ゆたか、鈴木まもる、ヨシタケシンスケ、かかぐいひろし、宮西達也、長新太、いもとようこ、岡田よしたか、西村繁男(順不同、敬称略)には、
皆様、大変お世話になりました。感謝。
全員知っているという人がそれほど多くはなかったので、せっかくなので、私が、子どもたちが2歳~6歳の子育て期間中に、年間500冊ぐらい絵本の読み聞かせをしてきた中で、お世話になった絵本作家とその作品を紹介してみます。
現在、未就学児の子育て中の方であれば、多少は参考になるかと思います。一応、対象年齢は徐々に大きくなるように紹介していきます。敬称略です。
- せなけいこ
- あきやまただし
- 五味太郎
- いもとようこ
- かがくいひろし
- 長新太
- なかやみわ
- 西村繁男
- 鈴木まもる
- 長谷川義史
- 川端誠
- 岡田よしたか
- 宮西達也
- 鈴木のりたけ
- ヨシタケシンスケ
- 原ゆたか
- その他のシリーズもの(思い出したら追記)
- 締め
せなけいこ
『ねないこだれだ』はあまりにも有名ですね。特徴的な貼り絵画法で、可愛いんだけど、何か怖い絵本をたくさん出されています。
私の子どもたちが何度も何度も読んでくれとお願いしてきたのは『ちいさなたまねぎさん』です。他の野菜や台所道具がネズミにバタバタ倒されていく中で、たまねぎの辛味でネズミが退散していきます。絵本の読み終わりに「おわり。せなけいこ」と毎回私が言っていたため、せなけいこさんは恐らく私の子どもたちが始めて認識した絵本作家です。
あきやまただし
『はなかっぱ』の原作者と言えば皆さん分かるのではないでしょうか。『はなかっぱ』のアニメは正直どうなのと思ってますけど、あきやまただしさんの絵本のほうは、アニメの嫌らしい感じはかけらもありません。かなり似たような本が大量にあるけれど、似たような本であるために、子どもは毎回楽しんでくれていました。
子どもたちに何度も読んだのはへんしんトンネルシリーズ。かっぱと何度も読んでいるとパッカパッカになって河童が馬に変身するみたいなやつですね。これが子どもには大受けするんですよ。ウケるんで読んでるほうも楽しくなるし、子どもも、自分で口ずさむようになる。助かりました。
五味太郎
説明不要ですかね。私も子どもの頃に読んだ記憶があります。私が好きだったのは『きいろいのはちょうちょ』。紙の一部に穴が空いてあって、ちょうちょのはずが豚の鼻とかに切り替わります。
うちの子どもたちが好きだったのは『さる・るるる』ですかね。さるが何かするだけなんですけど、"さる"と"る"の語幹がいいので読んでいてリズムを取りやすい。子どもも真似しやすい。
いもとようこ
絵柄を見てジャケ買いされる率が高い絵本No.1だと私が勝手に思っているのが、いもとようこさんです。表紙の絵柄は本当に可愛いんですけど、中身は、「ん?」「え?」という展開になることが多いんですね。その中で『いないいないばあ』は普通にいないいないばあの本で、子どもも好きで、何度か読みました。
『ずっとそばに・・・』と『かぜのでんわ』は一回読みましたけど、二回目は読みたくなかったな!
かがくいひろし
この人の作品はもう全部ハズレ無しです。たぶん、どれでも、ほとんどの子どもが爆笑するはずです。もう、ほんと、お勧め。全部読みましょう。
私の子どもが大好きだったのは『だるまさんが』です。だるまさんがころんだにちなんで、「だるまさんが~」と読んでからページをめくると、「ぷっ」とだるまさんが紙面いっぱいに膨らんだりします。子どもが大喜びしますよ!
長新太
正直意味が分からないんですけど、子どもにはウケるんですね。当惑しながら何度も読んでいました。『ゴムあたまポンたろう』とか『ごろごろにゃーん』とか。ストーリーは説明できません。
なかやみわ
この人の作品もほぼハズレ無しですね。大人にとってのハズレという意味ではなく、子どもにウケるかどうか(もう一度読んでくれと言われるかどうか)で言えば、かなり確度が高く、二回目をせがまれる。
『そらまめくん』シリーズと 『くれよんのくろくん』シリーズは今でも最新刊が出るかをチェックしています。
西村繁男
多作な印象はありません。ただ、何冊かを何度も読みました。書き込みが細かくて、何度見ても発見がある。
特に、『がたごとがたこと』は100回は読んでるんじゃないでしょうか。人間だと思ったら後で妖怪に切り替わるんですけど、微妙に特徴が似てるんですね。最初は、人間界と妖怪の世界の切り替えをパッと見て楽しむんだけど、何度も読むうちに、細かな共通点をチェックするようになります。
鈴木まもる
絵柄が朴訥でとても優しい。『せんろはつづく』『きゅうじょたい』シリーズは有名ですね。我が家では『ざっくん!ショベルカー』を100回は読んだと思います。 ワンオペでお兄さんがたくさんの建機を使って週に6日働くブラック労働環境だなと思って読んでいました。
ボロボロになっても何度も何度も子どもが持ってくるので、すっかりセリフは覚えて死ぬまで忘れないだろうなと思っていたら、もう忘れています。人間、よくできていますね(笑)
長谷川義史
キャラクターの頭がデカい、輪郭線の太い絵柄で特徴のある作家さん。ハズレはないんですが、言葉が凄く少ないので、すぐ読み終わっちゃうんですよね。もう少し長いセリフを入れて欲しいと思ったものです。
我が家でお気に入りだったのは『いいからいいから』と『はいチーズ』です。『いいからいいから』は、おじいさんが「いいからいいから」と何でもかんでも話を進めちゃう。子どもも「いいからいいから」が口癖になる。シリーズにもなっています。
『はいチーズ』は、長谷川さんの関西弁シリーズの一つですね。うちの子どもたちは長谷川さんの絵本で関西弁を学んでいました。この作品は最後に期待していたチーズがそんなに美味くないところが絶妙で、私も大好きでした。
川端誠
目が死んでる絵柄として、私の中では見分けがつく作家さんです。妖怪だったり、時代物だったりをよく描かれています。
うちの子どもたちがじゅげむを言えるようになったのは、川端さんの絵本のおかげです。
岡田よしたか
食べ物が擬人化する絵本で有名ですね。作品数は決して多くはないので、コンプリートは簡単だと思う。食べ物で遊ぶなと言われそうなぐらい食べ物で遊んでいます。
私の子どもたちが好きだったのは『うどんのうーやん』。うどんが空を飛んでいって、出来上がりは相当不味そうな仕上がりになります。
宮西達也
『ティラノサウルス』シリーズ、『せいぎのみかた』シリーズは有名だと思います。『ティラノサウルス』は私は好きじゃないですが、大人向けの絵本とも捉えられている気がする。
うちの子どもたちが好きだったのは『かぶと三十郎』シリーズです。虫嫌いには辛いだろうけど、敵も味方も虫だらけです。虫好きなら。
鈴木のりたけ
比較的新しい作家さんですね。リアリティ世界からスタートして、子どもが好きそうな、過剰な展開に持っていくというのが多いと思う。
次に紹介する、ヨシタケシンスケさんと並んで、何となくあざとい感じがあるんだけど、まあ、でも、子どもは好きなので読みます。 よく読んでいたのは『ぼくのおふろ』。
ヨシタケシンスケ
出る本出る本人気になりますよね。『もうぬげない』とか凄い話題になった。確かに、面白い。ちょっと大人向けの絵本かなと思うときがあるんだけど、子どももハマる。
我が家で好かれたのは『りんごかもしれない』です。理屈っぽくて、書き込みが細かい。この絵本を読んでると就職活動のときにマッキンゼーの面接でケーススタディをやらされたのを思い出して凄く嫌な気持ちになるんだけど(「りんごの使い道を考えてみてください」みたいなケーススタディ)、 子どもにせがまれて読み続けてました。
原ゆたか
もはや説明不要ですね。 『ほうれんそうマン』で主役を食っていたかいけつゾロリの『かいけつゾロリ』シリーズはあまりに有名だと思います。1987年の第一作からスタートして、すでに60冊以上出ていて、作品の中にはその当時のギミックが登場するので、後から読むとロストテクノロジーだらけになっています。テレホンカードとか。
結局『かいけつゾロリ』は出ているところまでで全部読みました。後、『かいけつゾロリ』のアニメの中に原ゆたかさんが登場することから、子どもたちの中に原ゆたかは有名人だと植え付けられ、結果的に、原ゆたかさんの他の絵本シリーズも読みました。
正直、話の筋はぐちゃぐちゃで行き当たりばったり感はあるんだけど、ギミックは今でも面白いです。 『プカプカチョコレー島』のチョコレートマシーンとか。島ごとチョコレートにはならないだろー(笑)
その他のシリーズもの(思い出したら追記)
作家さんというわけではなく、作品シリーズとしては『おしりたんてい』は読みました。トリック(仕掛け)が分かりにくいのと、おならで解決するところが、「うーむ」と完全肯定しにくいんだけど、子どもにウケるのはウケる。これは否定できない。
あと、『白オバケ黒オバケのみつけて絵本』シリーズ。絵本としては大判だし、迷路や間違え探しもあるから、絵本要素だけではなく、相当楽しめる。
『白オバケ黒オバケのみつけて絵本』シリーズを紹介したので、『迷路』シリーズも。こちらはもう迷路とタイトルにあるので迷路がメインではあるものの、ミッケ的な要素がふんだんにあり、更にお勉強要素もある(さりげない親向けアピール)。楽しい。
数が多くクオリティが安定しているということで、『わんぱくだんシリーズ』も。現時点で23冊登場しています。けん・ひろし・くみの仲良し三人組がふとしたきっかけで異世界に飛んでまた戻ってくるという展開。異世界に行ったささいな証拠が必ず残るの楽しい。
『くすのきだんちシリーズ』は現在8冊まで。色々な動物が住む10F建てのくすのきのアパートでの物語。上の階層に住むのは、停電時のタワマンみたいで大変ではないかとかそういう話をした記憶はある。
『もりはおもしろランド』は全15冊。ある町に住む動物たちがそれぞれ主役になる形で、町の住民との交流が行われる。私の子ども時代の作品だけれど古臭さは一切感じない。絵本、凄いな。
締め
以上、作家さんとしては16名、加えてシリーズ作品を紹介しました。こちらで紹介した以外でも多数の絵本作家さんのおかげで我が家の子どもたちと楽しい時間を過ごせました。
絵本作家の皆様、本当にありがとうございます。