TISのテレワークサービス障害、復旧できず終了へ
システム開発のTISは18日、障害のために停止していたテレワーク向けクラウドサービス「RemoteWorks(リモートワークス)」を9月末で終了すると発表した。アプリケーションの不具合によるセキュリティーリスクが内在しており、その解消に大がかりなシステム修正が必要になると判断したため。約400社の利用企業に対して、代替手段の提供やサービス終了の手続きを既に進めており、現状では大半が解約済みだという。
同サービスは自宅の私用パソコンなどからクラウドを経由して社内のパソコンを遠隔操作するために提供。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が拡大したのを機に利用企業が急増した。
3月末ごろにはアクセス増によって不安定な状態が続いた。TISはシステムを増強したが、今度は他の利用者のユーザーIDが表示されてしまう不具合が発覚した。
セキュリティーリスクがあることから、4月16日にシステムの長期停止を決断。不具合の解消に向けて作業を進めたが、このたび復旧を断念した。
調査の結果、ユーザーID以外の情報漏洩や不正アクセスなどは検出されなかったという。TISは「サービス障害およびサービス停止により、ご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深くおわび申し上げます」としている。(矢口竜太郎)