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Windows Info 第59回

Windows 10 ProでWindows Updateの動作を制御する

2016年02月11日 12時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII.jp

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 Windows 10では、Windows Updateの設定は「設定」アプリに移行している。さらに、Windows 10 Pro以上では、Windows Update for Business(以下、WUBと略)が利用できるとされている。

 Windows 10のリリース直後は、WUBはWindows Updateとは違うサービスだと説明されていたが、実際には、WUBはポリシー設定でWindows Updateを制御するものだっだ。制御は、Pro以上に同梱されているグループポリシーエディタから行なう。なお、Windows 10 Homeには、グループポリシーエディタは含まれておらずに設定できない。

グールプポリシーエディタはPro以上のエディションで利用可能。gpedit.mscを管理コンソールに読み込ませて起動する

Windows 10でのWindows Updateの制御は
Pro以上でないと不可能

 Windows 10以前でもWindows Updateの制御にはグループポリシーエディタを使っていたが、実際の設定はレジストリで行われていた。そのためWindows 7、8のHomeエディションなどでも、グループポリシーエディタは使えないとはいっても、レジストリ設定でWindows Updateを制御できることが知られていた。

 しかし、Windows 10 Homeにおいてはこのレジストリ設定はどうも無効にされているようだ。“ようだ”というのは、実際に設定してもWindows Updateの動作に変化がなかったからだ。ただし、マイクロソフトが公式にレジストリによる設定が無効と公表しているわけではなく、あくまでも筆者の観察による結果である。

 前述したようにWindows 10 Pro以上でWindows Updateを制御するには、グループポリシーエディタを使う。実際には、グループポリシーエディタというプログラムがあるのではなく、管理コンソールと呼ばれているプログラムに「gpedit.msc」というデータファイルを読み込ませる。このために起動するには、コルタナやタスクバーの検索欄、あるいは「Win+R」キーで「ファイル名を指定して実行」を開き「gpedit.msc」と入力する。何回も起動するようなら、

C:\Windows\System32\gpedit.msc

へのショートカットを「すべてのアプリ」に登録するなどしてスタートメニュー/画面から起動できるようにしておくと便利だ。設定方法については、本連載の第49回を参照してほしい。

 Windows Updateの設定は、グループポリシーエディタの左側に表示される

ローカルコンピューターポリシー/コンピューターの構成/管理用テンプレート/Windowsコンポーネント/Windows Update

にある。なお、「ローカルコンピューターポリシー/ユーザーの構成」にも同様にWindows Updateの設定はあるが、設定内容が違うので注意されたい。

 ここにはいくつかの項目があるが、重要な項目のみを解説する。設定を行なうべきところは、

1. 自動更新を構成する
2. アップグレードおよび更新を延期する
3.スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない

の3つだ。このうち2つめの「アップグレードおよび更新を延期する」がWindows 10で新設された項目で、他の2つはWindows XPから存在している項目になる。

自動更新を構成する

 この項目は、Windows XPからあり、コントロールパネルにあった「Windows Update」→「設定の変更」→「重要な更新プログラム」(Windows 8の場合)の設定に相当する機能だ。Windows 10のProエディション以上では、GUI側では設定はできないが、ポリシー設定による動作変更は可能だ。選択肢は、以下の3つである。

「自動更新を構成する」では、ダウンロードとインストールのタイミングを設定できる

・ダウンロードとインストールを通知
 →ユーザーがダウンロード、インストールを開始する
・自動ダウンロードしインストールを通知
 →新規アップデートを自動的にダウンロードし、インストール可能になったら通知
・自動ダウンロードしインストール日時を設定
 →新規アップデートを自動でダウンロードし、ポリシーで指定した日時にインストール

 なお、グループポリシーは、管理者(ユーザー)が明示的に設定しない限り、すべての項目が「未構成」状態で、それぞれの項目で「未構成」時の動作が決められている。原則、コントロールパネルやプログラム側のデフォルト動作となり、Windowsのバージョンで動作が変わってくる。

 逆に言うと、グループポリシーの項目を有効にすると、Windowsのバージョンにかかわらず、動作が一定になる。Windows 10では、ダウンロードとインストールが自動で行なわれ、ユーザーが選択可能なのは、再起動が必要な場合に一定時間待った後自動で行うか、ユーザーに通知して再起動の日時を指定(または即座に再起動)するかどうかの選択しかない。

 この「自動更新を構成する」を有効にした場合、Windows10の設定アプリにある「更新とセキュリティ」→「Windows Update」には、「一部の設定は組織によって管理されています」と赤字で表示され、「詳細オプション」の「更新プログラムのインストール方法を選ぶ」がグレーアウトし設定不可能になる。

グループポリシーエディタで「自動更新を構成する」を設定すると、設定アプリの「更新とセキュリティ」→「Windows Update」には、赤字で警告が表示されるようになる

同様に、設定アプリの「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「詳細オプション」の「更新プログラムのインストール方法を選ぶ」がグレーアウトする

 このポリシー項目は、下の図のレジストリ項目に対応している。グループポリシーエディタで編集しても、下記のレジストリ設定を行っても、動作は同じで、レジストリ設定を行うと、グループポリシーエディタ側でも、項目が「有効化」されて設定された状態となる。

グループポリシーエディタの「自動更新を構成する」に対応するレジストリ

グループポリシーエディタの「自動更新を構成する」は、実際には、レジストリを設定している

 前述のようにWindows 10 Homeエディションの場合、このポリシーと同等のレジストリ設定を行っても、「一部の設定は組織によって管理されています」という表示は行われず、設定アプリの状態は変わらない。エディションによりWindows Updateの動作そのものがまったく違っているようだ。

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