学校にコロナを広めるな――。英国在住で朝日新聞オピニオン面の「欧州季評」の筆者・ブレイディみかこさんの息子さんが、地元の中学校で、同級生にこんな言葉をかけられました。新型コロナウイルスの感染はヨーロ…

とがったパンクな文体で、腐った政治を撃つ、豪速球投手である。と思えば、ユーモアと繊細さをマジックのごとくブレンドさせた、変化球の人。ブレイディみかこさんは、いま最も期待される書き手の一人に違いないだろう。話題の最新作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)は、英国の公立中学に通う一人息子の葛藤と成長を描く。一時帰国を機に、EU離脱をめぐり紛糾する英国の足元、日本社会が問われているもの、そして女性たちへのメッセージを語ってもらった。(文:朝日新聞論説委員・藤生京子、写真:家老芳美) ■「元・最底辺校」で起きるドタバタ ――一気に読みました。英国社会の荒廃を無料託児所などの光景から浮き彫りにしたルポや、政府の緊縮財政の愚を指弾する時評とは、ずいぶん雰囲気が違う気がします。 そうかもしれません。英国で周囲にいる人々や出会った人々を観察して書くのでなく、いままさに私自身の現場である
カルチャーは都市の風景を変える。しかしなかには、風景だけでなく居住者の階級浄化まで推し進め、社会問題に発展するケースもある。ヒップスターたちがロンドンの労働者階級の街で悪役であり続ける理由はそれだ。 ジェントリフィケーションが進むロンドン ロンドンでジェントリフィケーション(都市の貧困層の居住地域が再開発によって地価が高騰し、貧困層が居住できなくなる現象)が進んでいる。20年前なら誰も近づかなかった貧困地域の立体駐車場の屋上にカクテルバーやアートスペースが出現し、ファッショナブルな白人の若者たちがグラスを傾けながら見下ろす地上には、1ポンドショップや携帯カバーを売る移民の屋台や一年中セール中の激安量販店が並んでいる。 ペッカム、ブリクストン、ハックニーなど、ロンドンのガラの悪い貧民街として世界的に知られていた地域でこのような光景が広がっている。 ジェントリフィケーションは何も新たな現象では
最近、英国国教会の最高位職であるカンタベリー大主教に、前ダラム主教のジャスティン・ウェルビーが新たに就任した。彼は賞賛に値する人物だし、イギリスの宗教指導者として立派に務めあげてくれるに違いない。 だけど、僕が今ここで彼を取り上げるのは、別の理由。こんな質問をするためだ。ウェルビーとウィリアム王子(英王位継承権第2位の人物)、デービッド・キャメロン(英首相)、ボリス・ジョンソン(ロンドン市長)の4人に共通するものは何か? 答えは、彼らが全員、同じ学校の出身者だということ。名門私立中等学校のイートン校――多分、世界で一番有名な学校だ。イートン出身者はイギリスでは何百年もの間、あらゆる分野でトップに居座り続けている(歴代首相のうち19人がイートン出身だ)。そうは言っても最近では特に、イートン出身者に権力と富が集中する傾向が顕著だ。 イートン校は、イギリス人が紛らわしく言うところの「パブリックス
世界三大美女産出国は3C。3Cとは、即ちキューバとコスタリカとコロンビアだ。 と書いたのは故・中島らもだったが、コロンビアという国の血には確かに何かがありそうだ。 底辺託児所にもコロンビア人の母と英国人の父を持つロザリーという20歳のボランティア女性がいるが、これがもうペネロペ・クルスの顔が不完全に思えるような凄まじい美貌の持ち主なのである。 底辺生活者サポート施設に出入りするようになってわかったのは、英国社会の底辺を這っている女性たちには、女であることばかりか人間であることすら放棄してしまったようなクリーチャーも多いが、常識でいう“別嬪”の基準ラインを大きく上回っている女性がなぜか結構いるということだ。 普通ならば恵まれた容姿を活用してぶいぶい言わせるとか、裕福な男を捕まえて成り上がるとか、そういうアンビシャスな人生パターンが思い浮かぶが、底辺から這い上がれない彼女たちを見ていて
近くの図書館(都内)に行き、ある新聞に面白い記事があった。小さい囲み記事をコピーしようとしたら、申請(届け出?)書を書き込むように言われた。どの出版物の何ページから何ページをコピーするのかと名前を書きこむ。コピーをした後、随分厳しいように感じたけれども、図書館に数々の雑誌や新聞があり、やはりこれが売り上げを圧迫している、ということなのだろうか。著作権の問題もあるのだろう。知的所有権が守られていて良いのか、あるいは自由度が少ない(情報の流布を妨げる?)ということなのか、どちらか判別がつきにくかった。 **** アカデミー賞受賞の女優ケイト・ウィンスレットが、英語の発音と階級制度の深い結びつきを示唆する発言を、ある雑誌のインタビューで行った。熱い議論を巻き起こした発音と階級制度に注目した記事を、「英国ニュースダイジェスト」の5月14日号に書いた。以下はそれに若干足したものである。 7年ほど英国
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く