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iOS「Siri」の技術提供元? ニュアンスが日本向け戦略を発表

2014年03月17日 23時00分更新

文● 小山安博

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 iOSを車載向けに拡張したアップルの「CarPlay」やGoogleのOAA(Open Automotive Alliance)でにわかに注目を集める車載システムだが、iOSの音声エージェント「Siri」にも音声技術を提供したとみられるNuance Communicationsが17日、日本における事業展開などを含めた車載機器向けの今後の戦略を紹介する説明会を開催した。Nuanceでは、音声認識・合成技術だけでなく、コンテンツを含めたプラットフォーム戦略を中心に、さらなる拡大を目指している。

Nuance Director Marketing AutomotiveのFatima Vital氏

ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン オートモーティブ ビジネスユニット プリンシパル マーケティングマネージャー村上久幸氏

 Nuanceは、全世界に1万2000人の社員、1200人の言語関連の研究者やエンジニアを抱える音声認識大手。著名なところではアップルのSiriやサムスンのGALAXYとGALAXY Gearの音声認識に技術を提供するなど、さまざまな領域で活用されている。特に欧米系に強く、XeroxやIBM、HPなどのエンタープライズ系、エールフランス航空、デルタ航空などの航空系、Vodafone、テレフォニカ、T-Mobileなどの携帯電話キャリア系など、さまざまな業界で採用例がある。モバイル系ではほかに、Samsung、LG、HTC、そして最近ではインテルとの協業により、レノボやデルなどのPCにもNuanceの技術が採用されるようになっている。


Nuanceの技術を採用する企業の一部

65ヵ国以上、80言語以上をサポートし、Nuanceのクラウドサービスのトランザクションは70億を超えている

クラウドサービスのアクティブユーザーやトランザクションは伸び続けている

自動車業界では最多の導入実績

 車載関連では、トヨタ自動車、BMW、フォード、メルセデス・ベンツといった自動車メーカーの純正車載システムだけでなく、パイオニアや富士通テン、パナソニックなどの車載機器メーカーにもNuanceの技術が採用されており、「自動車業界では最多の導入実績がある」という。同社の音声機能を搭載した新車は、2013年はグローバルで2800万台が販売されたそうだ。

Nuanceの技術を搭載した新車も右肩上がり

自動車業界の採用企業

 Nuanceは自動車業界向けに、音声認識「VoCon」や音声合成「Vocalizer」という2つのコア技術に加え、ノイズを除去する音声信号処理、テキスト入力機能の「XT9」を加えた4つの技術を提供。しかし、技術の提供だけでは「納得のできる製品が出てこないことがあった」(ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン 村上氏)ため、プラットフォームやアプリケーション、開発コンサルタントまで拡大し、トータルソリューションとしてのビジネスに転換していった。

コア技術に加え、プラットフォームや開発コンサルまでを提供する

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