科学的調理のステーキレシピ・焼き方&ソースの作り方|林修の今でしょ講座

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2015年4月28日(火曜日)放送のテレビ朝日・林修の今でしょ!講座「科学で料理が美味しくなる&葉加瀬太郎の音楽講座3時間SP」では、フランス料理シェフの水嶋弘史さんが特売品のステーキ肉を科学の力で高級ステーキに変える方法を紹介していました。水島シェフはフランスの調理師学校を主席で卒業し科学的料理の虜になった。1ヶ月分の予約がたった2分で埋まるという話題沸騰の料理教室の先生。

特売品の牛肉を科学的調理で高級ステーキに変えるレシピ

科学的ステーキの作り方/レシピ

材料

  • 牛肉…番組では100g300円の肉を使用
  • 塩…肉の重さの0.8%
  • 牛脂
  • サラダ油

★ステーキソースの材料

  • ワイン…30g
  • みりん…20g
  • 塩…0.4g
  • バター

作り方

1
サラダ油約100mlでキッチンペーパーをしっかり浸す。
科学的ステーキの作り方
2
牛脂を牛肉の両面に隙間なく並べる。それを油で浸したキッチンペーパーでしっかりと包む。
科学的ステーキの作り方科学的ステーキの作り方/レシピ

3
肉の下面が熱くなり過ぎないように網を敷いた上にキッチンペーパーで包んだ肉をのせ、120度のオーブンで15分焼き、裏返してさらに10分焼く。

科学的ステーキの作り方/レシピ

科学的ステーキの作り方/レシピ

4
オーブンから取り出しキッチンペーパーと牛脂を取り除き、両面に塩を振る。焼き上がりは周りがうっすら白っぽくなっている程度でOK。
科学的ステーキの作り方/レシピ
5
牛脂の油をひいたフライパンで焼き上げる。大体30秒、焼き色が軽くついたら裏返し、さっと焼けばOK。科学的ステーキの作り方/レシピ

科学的ステーキの作り方/レシピ

6
フライパンから取り出したらコショウをふってアルミホイルで包んで肉を休ませる。
科学的ステーキの作り方/レシピ
科学的ステーキの作り方/レシピ
7
ステーキソースを作る。赤ワインとみりんを鍋で混ぜて煮詰め、とろみが出たら塩を加える。さらにバターを加え、泡だて器でソースを混ぜながらバターを少しずつ溶かしていく。完全にバターが溶け切ればステーキソースの出来上がり。科学的ステーキの作り方/レシピ

科学的ステーキの作り方/レシピ

科学的ステーキの作り方/レシピ

このステーキを食べた林先生とV6の井ノ原さんは「柔らかい。うまい。肉の旨味をギュッと閉じ込めた感じ。」、「良い肉だとこれだけ柔らかいと脂っこい印象だがまったくない。こんなにうまいんだったら特売肉のほうが良いですね」などとコメントしていた。

科学的ステーキの作り方のポイント

一般的なステーキの焼き方は調理法は科学的に見ると間違った工程が多い。生肉に塩をするのはNG。香りづけにフランベすると、肉本来の香りが失われてしまう。

特売品と高級品の肉質の違いを科学的に調べてみると、明らかに違いが合ったのは肉の固さ。

特売品の牛肉と高級ステーキの固さのグラフ

他にも肉に含まれる水分の量や、肉から出る香りに違いが合った。

特売品の牛肉と高級ステーキ肉の違い

固い・水分の量が少ない・香りが少ないという特売品の弱点を科学的方法でやわらかい・ジューシ・香り高い高級なステーキ肉に近づけていく。

牛肉は赤身肉を使う

肉は脂身が美味しいと思っている方も多いが、科学的に見ると肉の旨味成分のアミノ酸は脂身より赤身のほうが格段に多く含まれている。赤身のお肉であれば例え特売品であっても科学的に旨味をしっかりと閉じ込めてあげれば高級のヒレステーキの味に近づく。

赤身の方が焼くのが難しいので、科学的に焼くかどうかが大事にある。

サラダ油で浸したキッチンペーパーで包む

特売品の牛肉のアクや臭みを取り除くため、肉をでサラダ油で浸したキッチンペーパーで包む。これは安い肉に出やすい肉の臭みを取るため。

脂でギトギトになってしまうが、これだけの量がないと特売品の肉の臭みを取ることが出来ない。この油で肉がベトベトになってしまうと思うが、肉を焼くのでで表面についた余計な油は油っぽくならない。

牛肉を香り高くするためにスライスした牛脂を並べてくるむ

和牛には脂の部分に和牛香という独特の風味がある。甘い香りや良い香りの中の一つにラクトンというものがある。ラクトンという成分が多ければ多いほど良い香りが出る。

牛脂をでくるむことで和牛の牛脂の良い香りを移す。

この手法は昔からフランス料理で存在している。フランス料理では網脂(牛や豚のの内臓の脂)を使うが、一般の家庭では背脂や網脂を用意するのが難しい。キッチンペーパーと牛脂で擬似脂の状態を作っている。

柔らかくジューシーに焼くために低温のオーブンで焼く

オーブンで焼くのはフライパンで焼く前にオーブンの中で肉に火を通すため。フライパンで焼くよりもオーブンの方が普通の人でも失敗せずにジューシーで柔らかく焼ける。

フライパンの上に乗せると肉の温度が上昇しやすい。動物の細胞は急激に温度が上昇すると収縮し、水分や旨味が逃げてしまい美味しさが減ってしまう。

低温のオーブンでゆっくりと加熱することが水分量をキープして、なおかつ柔らかく仕上げるということになる。

この低温で焼く方法はフランスの三つ星レストランで修行したシェフが開いたお店、西麻布にあるステーキレストラン「minas」でも行っている。フランス料理では低温調理など科学の力を使った料理が定番になっている。

肉に熱が入りすぎていないか直接手で肉を触り確認するのがこの店のやり方。高温で焼くと血が出たり旨味が逃げたりするが低音で焼くと血も出ず肉汁が閉じこもったまま焼きあがる。

塩コショウはオーブンで焼いたあと

塩を先にすると肉の水分が出てきてしまう。科学的に最適な塩の量は食材の重さに対して0.8%。体の体液や血液は約0.8~0.9%が塩分。

人間は体内の塩分濃度と近いと美味しく感じる。

焼き上げたあとにコショウをする。コショウは香りが重要。熱々のフライパンでコショウをすると焦げて苦味が出てしまう。最後に肉の予熱を使ってコショウの風味を活かす。

肉汁を肉の中に閉じ込めるためにアルミホイルに包み肉を休ませる

肉の温度が上がると細胞内の水分が活発になる。肉を休ませて保温状態にすると温度が下がり細胞内の水分の動きはゆっくりになる。

加熱された肉の内部は細胞内の水分が膨張して動いている状態。その状態で肉を切ると中から肉汁が溢れだしてしまう。

肉の中の水分と細胞の図

切った時に旨味成分を逃さないためにも中の水分が落ち着くまで寝かせておくことは理にかなった調理方法。

125年の歴史を持つ帝国ホテルのステーキハウス「嘉門」。ここでも肉を休ませるという科学的テクニックが使われている。肉の脂身の上で焼いた時間とお同じ長さ肉を休ませるのがこの一流店のやり方。

肉を休ませる方法

お肉の旨味の肉汁が残っている状態なので、噛んだ時にジューシーさがぜんぜん違うそうです。

ステーキを最大限美味しくする科学的ソース

ステーキソースのベースは赤ワインとみりん。赤ワインは甘みがないので甘みを加えて作る。

赤ワインとみりんはどちらもアルコールが入っているので一緒に加熱すると旨味だけが残されてソースの材料としては最高。

普段は交じり合わないバターの油分とみりん・赤ワインの水分を乳化をさせて混ぜ合わせる。乳化とは普段混ざり合わない油分と水分が限りに無く均等に混ざり合う現象のこと。

乳化をするとお酢が油でコーティングされるので酸味の角がとれて味がまろやかになる。乳化させるには少しずつ油を水分に混じらせることが必要。

乳化という状態は水分の中にできるだけ均等に小さい状態で油を分散させてあげること。するとソースの中にとろみが付く。

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