アフガン復興予算を「無駄遣い」=監察官が米国防総省を批判

米国と連合軍は2001年にタリバン掃討のためアフガニスタンに侵攻した

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米アフガニスタン復興特別監察官を務めるジョン・ソプコ氏は20日、国防総省の機関がアフガニスタンの復興プロジェクトで多額の予算を「無駄遣い」したと非難した。

ソプコ氏は、国防総省のビジネス安定化タスクフォース(TFBSO)がアフガニスタンの開発案件に5年間で約8億ドル(約930億円)を支出したものの、ずさんな計画と無駄遣いによって、取り組みは失敗だったと批判した。

国防総省はソプコ氏による指摘の一部を否定している。

米上院軍事委員会の公聴会に出席したソプコ氏は、600万ドルを投じた現地のカシミア産業の振興プロジェクトで、希少なイタリアのヤギの小さな群れを輸入したものの、食肉として食べられてしまったかもしれないと指摘した。

受注業者は同プロジェクトで最大350人が職を得たとしている。

アフガニスタンに建設された圧縮天然ガス基地

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ソプコ氏は、「アフガニスタンにおける(タスクフォースの)活動が、組織の創設を正当化するほど、目的とする経済成長や安定化に寄与したと信じるに足る証拠がない」と述べ、「むしろ、未完で、ずさんな計画、稚拙な発想によるプロジェクトによって失敗した」と指摘した。

上院委のメンバー、クレア・マカスキル議員(民主党、ミズーリ州選出)は、ソプコ氏の報告書で指摘されている圧縮天然ガス(CNG)基地に4300万ドルが投じられた案件を「恥さらし」と表現した。

計画では、アフガニスタンの天然ガス資源が高価な石油輸入に代替できると示すことが目的だとしていた。

しかしマカスキル議員は、アフガニスタンの平均年収が自動車を天然ガス対応にするコストよりも少ないと指摘。国防総省は基地の費用は実際は1000万ドル以下だったと反論した。

タスクフォースはすでに解散している。