余計な機能は要らない、ウェブさえ使えれば。
そんな発想から生まれたウェブ専用タッチタブレット「CrunchPad」が、いよいよ近日デビューの運びとなりました。
言いだしっぺはウェブビジネスブログ「TechCrunch」創始者マイケル・アーリントン。「超シンプルな$200ウェブタブレットが欲しい」(和訳)とブログで1年前に読者に呼びかけ、アイディアと協力者を募って製品化に漕ぎ着けた、ウェブ生まれのウェブタブレット、ですね。
ソフトウェアは昨年TechCrunch50に参加したシンガポールの無名のスタートアップ「Fusion Garage」が開発し、TechCrunchが同社を買収、「CrunchPad, Inc.」という別会社を設立しました。スタッフは現在15人です。
タブレットはAtom搭載のLinuxマシンで、iPhoneでは非対応なFlashにも対応。スイッチをオンにすると、いきなりLinux/Webkitベースのブラウザが立ち上がり、そこでメールやウェブサーフィン、ビデオ閲覧が楽しめます。
厚さ16mmの超薄型。スクリーンは最低12インチ。筐体はアルミニウム。カラーはいろいろ。ハードドライブもキーパッドもない「インターネット消費デバイス」ですね。もっともバーチャルキーボードもあるし、普通のキーボードを繋ぐこともできますよ。
デモとギャラリーもどうぞ。
この半年、仕事時間の3分の2はタブレットにかかりっきりだったというアーリントン氏はNYタイムズからの取材に、「7月末か8月初めには正式発表を行い、すぐにでも発売したい」、「ほとんどの人はネットブック並みか、それ以上と感じると思うよ」と話してます。
アップルの噂のタブレットと競合するようなシロモノではないですけど、「機能を削ぎ落として使い易くする」辺りは、あのヒット商品「Flip」と同じ方向性ですね。
300ドル未満で買えるんなら、僕はネットブックよりこっちが欲しいなぁ。ネットブックも本当は「ネットに特化したブック」として作られたはずなんだけど、そのネット機能でこちらが勝ってる気がしますから。
並居るメーカーさん相手に「ブログ生まれのウェブタブレット」がどこまで勝負できるのか? 成り行きにご注目。
[Bits, TechCrunch/日本語版]
matt buchanan、Andi Wang(原文1、原文2/訳:satomi)
UPDATE: 延期に延期を重ね、結局、最後の最後に製造側とトラブルとなり発売中止になってしまいました(TechCrunch/日本語版)。