新入社員のためのメール術〜ビジネス編電子メールの新リテラシーを学ぶ

すっかりビジネスシーンに欠かせないものになった電子メール。しかしその作法はというと、まだ確定しきれていないところがあります。常識を押さえつつ、メールのマナーを考えてみましょう。

» 2007年06月05日 13時00分 公開
[高橋暁子,ITmedia]

 無事に入社した新人社員の皆さん、もう配属も決まったでしょうか。ビジネス第一線の現場で日夜頑張っている最中かと思います。

 さて、仕事が始まると、多くの会社では仕事用のアドレスがもらえます。会社のアドレスを持つということは、そのアドレスで発信するメールはすべて会社の名前を背負っているということになります。

 しかし、メールは難しいものです。文章のみでやりとりをすること自体が難しいのは言うまでもなく、さらに難しい点があります。たとえばこんなケースです。

 筆者はかつて、仕事関連のメールでトラブルになった経験があります。ある時、面識がない人からきたメールの本文を引用、レスをつけて送り返しました。「引用してレス」というのは友人の間では普通だったのですが、その人はそれが失礼だと怒り出してしまったのです。わたしは、その時初めて人によってメールに関する常識が違うことを知って青くなりました。

 そう、メールが問題なのは、人によって常識が違うということなのです。

 一般的な作法に関しては、正しいとされるルールが定まっています。しかしメールは新しい文化なので、まだまだ作法が定まっていないのが現状です。そこで、この連載ではさまざまなメールの仕方や考え方を知り、「メールの作法」について考える機会としたいと思います。皆さんがわたしのようにトラブルにあってから慌てるのではなく、そのようなケースを事前に回避するお役に立てれば幸いです。

メールの常識これだけは知っておこう

 メールのルールがまだ定まっていないといっても、もちろん常識とされるものはあります。まずはそれをおさらいしてみましょう。

宛先、挨拶、自分の所属や名前の記入は必須

 □□社 ☆☆様

 お世話になっております。○○社△△担当の××です。」


 のような書き方になります。

お互いが知り合い同士ではない人たちに同報メールを送る場合、bccで送ろう

 メールには、宛先を表す「to」のほかに、「cc」「bcc」といった送付先を指定できます。「この人にもこの情報を伝えておきたい」という時に「cc」「bcc」を使いますが、「cc」には注意しましょう。

 うっかりcc(カーボンコピー)で送るという失敗は誰もがしたことがあるでしょう。個人情報を不用意に漏らすのはNG。トラブルの原因になります。bcc(ブラインドカーボンコピー)で送れば、受信者にほかの人たちのアドレスがさらされずにすみます。

タイトルは用件が分かりやすいものをつけよう

 【緊急】■■のお打ち合わせの件について(○○社××)


 のように、タイトルを見れば用件が分かるのがベスト。「お世話になっております」など漠然としたタイトルだと見過ごされてしまいかねません。スパムも含め受信メール数が多いことを考え、相手の立場に立った分かりやすいタイトルをつけましょう。

添付ファイルは圧縮が基本。相手の環境を考えて送ろう

 画像や資料などのデータを添付ファイルで送ることもあるでしょう。そんな時には圧縮が基本です。大きすぎるデータを送る場合には、「データ便」や「宅ふぁいる便」などの大きなデータを無料送信できるサービスを上手に取り入れましょう。Macを使っているなどの理由で相手によっては資料が開けないこともあるので、環境を聞いてから送るとなおいいです。

その他、改行は適宜に、機種依存文字は禁止、HTMLは禁止、署名をつける

 メールは読みやすさを心がけて適宜改行を入れて書きましょう。半角カタカナや機種依存文字は環境によって読めない場合があるので止めたほうがいいです。

改行がない悪い例

お世話になっております。○○社の××です。先日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました。さて、次の打ち合わせの日程を決めたいと思います。ご都合のいい日程の候補をいくつかお願いいたします。


改行を入れた例

お世話になっております。○○社の××です。

先日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました。

さて、次の打ち合わせの日程を決めたいと思います。

ご都合のいい日程の候補をいくつかお願いいたします。


 機種依存文字は、Mac→Windowsや、Windows→Macというように、受け取る環境が違う時に起こります。たとえば、以下のようなものは文字化けする可能性があります。

 HTMLメールは嫌う人もいるのでやめた方が無難です。所属、名前、連絡先が分かる署名をつけておくといいでしょう。

 しかし、実はこれさえも「絶対」ではないのです。それならば、一体どうしたらいいのでしょうか?

実践編!「郷に入ったら郷に従え」でトラブル回避

 メールは相手あってのもの。自分の「常識」に囚われすぎると、ほかの人の「常識」とぶつかってしまってトラブルになります。一歩引いて、相手のやり方を尊重することも大切です。

 たとえば会社に入ったら、先輩社員や上司のメールの使い方を盗むのが一番です。見る機会があったら、しっかりとコツを学び取ってください。また、会社によって、必ずccで上司にもメールを送るなどのローカルルールが存在することがあります。それらのルールは尊重しましょう。

 逆に、あなたが先輩社員で新人を教育する立場なら、新入社員をbccに入れておくといいでしょう。

投票をお願いします!「to、cc、bccはどう使う?」

 次回からは考えが分かれる応用編に入ります。いよいよ具体的にみんなのメール作法に迫っていく予定です。そこで、「to、cc、bccはどう使う?」というお題で意見を募集したいと思います。

  1. 「複数の人に一斉にメールをする時、1人をto、残りをcc」
  2. それとも「全員をto」にしますか?

 

  1. 「複数の人に一斉にメールをする時 to内の順番は大切」
  2. それとも「気にしない」ですか?

 のそれぞれの項目についてご意見をお寄せください。さて、どちらが多いでしょう。皆さんは多数派か、それとも少数派でしょうか。

 投票の際には、なぜそう思うのかという理由や、皆さんの年齢、性別、仕事の種類も書いていただけるとありがたいです(20代前半、男性、営業職のように)。次回、投票結果もお知らせするのでお楽しみに。

応募フォーム メールアドレス:


氏名(ハンドルネーム可):


to、cc、bccはどう使う?:


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