【和食】 魚のほね (恵比寿) | デートに使える女社長の東京グルメ日記

【和食】 魚のほね (恵比寿)

やっぱり私たちは迷子になった。

「一発でこの店に辿り着ける人がいたら驚異」

というふれこみがインターネット上で散々されていたにもかかわらず。


まさかこんな場所に、パーフェクトにデートに使える店があるなんて誰が想像しただろう。

そこは隠れ家というより、なんだか廃墟のようだった。


【和食】 魚のほね (恵比寿)


赤いポストの横の路地を入ると、薄暗い小道が続いている。暗闇に浮かぶ1つのライト、そして木箱に墨で「魚のほね」と書かれたものが看板代わり。扉の奥の長い長い階段を上ると、突如世界が変わり、ジャズが聞こえた。天高の広めのリビングほどの和室の登場だ。


間接照明が上手く使われた雰囲気の良い部屋。大きなテーブルが一枚、小さい丸テーブルが二枚を畳を利用した椅子が囲んでいる。ネタケースの前のカウンター席のみ。全部で12名も入ればいっぱいだろうか。ちょっと強面の大将が一人で切り盛りしていた。


これがお店の看板がわり 魚のほね (恵比寿)


8400円の魚にこだわったコース一種類のみ。料理はすべて手作りの温かみが感じられ、大将は一皿一皿、素材の産地や旬について説明をしてくれる。ぶっきらぼうに今の時期なにが旨いかなどをとつとつと話す姿が、逆に好感が持てた。きっと心底魚が好きなんだろうなあ。


【和食】 魚のほね (恵比寿)

突き出しは牡蠣の酒蒸と生タコの酢の物、イカの塩辛。牡蠣は驚くほどふっくらしていた。噛むと滝のようにクリーミーな味と日本酒の香りがふわんと口に広がる。この一口で、もうこの後の料理がどれだけウマいかを期待させてくれた。イカの塩辛は薄味でやさしいワタのコクで焼酎が進む。


ブリの握りは、鮮度の良い歯ごたえなのに、キメが細かい脂のトロ感覚。大根おろしとわさび醤油の2種類で食べさせるのも憎い。ブリはその後、刺身とシメの茶漬けで登場した。とにかく美味い魚だった。

【和食】 魚のほね (恵比寿)


おしのぎのあとの椀物は、サトイモを片栗粉であげたもの。イクラが乗せてあるが、皮がプチプチとする食感が楽しめた。この季節のイクラは最高だ。鯖の刺身もいい。茸と一緒に焼いた鮭の大きなハラスも、どれもが素晴らしかった。

【和食】 魚のほね (恵比寿)

シメは鯛茶漬けならぬ、ブリ茶漬け。生臭さがないブリだからこそできるワザ。煎茶を注いで、さらさらと頂く。

かなりお腹がいっぱいだ。

【和食】 魚のほね (恵比寿)

まるで漁港の近くの旅館に来て、ごはんを食べた気分だ。

ほっこりと家庭料理然とした食べ物。

手のひらに残る畳の感触。

(・・・・このままゴロリと横になってしまえたら最高なのだが。)

と考えていたら、カンの良い連れに察したのか、ちょっと気を抜きすぎじゃない?と言われる。

こんなに優しくておいしいごはんなんだもの。これは仕方ない。


■魚のほね
 東京都渋谷区恵比寿1-26-12 フラット16-3F
 03-5488-5538
 平日18:00~23:00 日曜定休
 (予約は絶対したほうがいいと思います)


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