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マックの新サイトも導入した「LPO」対策とは?

2008年09月25日 23時38分更新

文●小橋川誠己/ASCII.jp

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 Webサイトのページビューがなかなか伸びない。アクセス解析をすると、せっかくサイトに来てくれた訪問客の多くが、ページを開いてはすぐに帰ってしまっているようだ――。

 「直帰率」や「離脱率」の問題を解決し、サイト内の滞在時間を伸ばしたり、最終的なコンバージョンを高める方法として注目されているのが「LPO(Landing Page Optimization)」だ。LPOとは、検索エンジンなどの外部サイトから訪れる人が最初に開く“着地ページ”を最適化すること。もう少し具体的にいえば、検索キーワードによってページの内容を一部を書き換えたり、関連性の高いページへ誘導する方法だ。

マクドナルド

新しい日本マクドナルドのWebサイト。ブラウンを基調としたデザインになった

マクドナルド

リニューアル前のmcdonalds.co.jp。白をベースとしたカラフルな印象

 このLPOの仕組みを新たに取り入れたのが、9月25日にリニューアルされた日本マクドナルドのWebサイト(http://www.mcdonalds.co.jp/)だ。以前の白を基調としたポップなイメージから、ブラウンをベースにしたややシックな雰囲気に生まれ変わった新サイトは、「最近の店舗デザインとの統一感を持たせた」(日本マクドナルド広報)との言葉通り、だいぶ大人っぽい印象だ。

 新サイトのトップページでまず目を引くのが、中央に大きく表示されるFlashコンテンツだが、実はこの部分、検索キーワードや時間帯に合わせて、5種類の中から切り替えて表示される仕掛け。同時に、すぐ右側にあるミニバナーも関連性の高いものに変わるようになっている。

 どのように変わるか? 実際に確認してみよう。まずはブラウザーのアドレスバーに「http://www.mcdonalds.co.jp/」と入力してみる。

 今度はGoogleで「ハッピーセット」と検索し、一番上に表示されたリンクをクリックした場合。表示されるのは一見、直接URLを指定した場合と同じトップページだが、中央のFlash部分が「Mom with Kids」という親子向けのコンテンツに切り替わった。右側には「ハッピーセット」のバナーもある。

 マクドナルドによると、LPO対策をすることで、「簡単に利用でき、ストレスを極力感じないようなサイトを目指した」という。成果はまだ分からないが、試みがうまくいけば、「月間5000万ページビュー」というサイト全体のページビューもさらに向上するだろう。


 「キーワードや時間帯に合わせて内容を変える」と聞くと、非常に大掛かりに感じるが、LPOはマクドナルドのような大企業のサイトだけが使える技ではない。個人でも使える無料のLPOツールに「ねこすけLPO」がある。リファラーから検索キーワードを割り出し、キーワードに合わせてJavaScriptでページの一部を書き換えるツールだ。また、Movable Typeでサイトを運営している人向けには、Webデザイナーのsato165さんが運営するブログ「delab」で簡易LPO対策の方法を紹介している。

 せっかくコンテンツを揃え、気合を入れてデザインしたのに、肝心の中身をしっかり読んでもらえないのはもったいない。ちょっとした手間でどこまで効果を得られるか? 個人サイトでも試してみる価値はありそうだ。

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