民泊需要に使えるか?Qrioスマートロックでキーレスエントリーを体験してみた
民泊が全国的に広がっている。民泊可能な施設はすでに1万軒近くまで増えているのだ。筆者の事務所がある大田区も「国家戦略特区」になっており、民泊サービスを提供している知人が何人もいる。いろいろ話を聞いていると、民泊運営で手間がかかるのが鍵の受け渡しだそう。この手間を、なくしてくれるのがスマートロックだ。今回はハードウェアスタートアップのQrioが手がける「Qrio Smart Lock」と「Qrio Keypad」でのキーレスエントリーを体験してみた。
Qrio Smart Lock | |||
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プラットホーム | ハードウェア、アプリ | 企業名 | Qrio株式会社 |
代表 | 西條晋一 | 設立 | 2014年12月12日 |
取引形態 | BtoC | 利用料金 | アプリ:無料、スマートロック本体:1万9440円(税込) |
ニーズが高まる民泊にぴったりのデジタルガジェット
東京五輪を見据え、民泊の需要が高まっている。そもそも民泊とは、旅行者などが一般の民家に泊まること。現在ではユーザー同士を仲介するサービスを中心とした個人宅の一部や空き別荘・空きマンションでのビジネスを指す。大きなニーズが見込まれているので、今後も参入者が増え続けることだろう。しかし、その際に面倒なのが鍵の受け渡しだ。
民泊しに来るゲストには鍵を渡さなければならないが、チェックインする時間ぴったりに来るとは限らない。海外から来るいわゆるインバウンド利用の場合、外国語でコミュニケーションするのが難しいケースもある。そもそも、毎回どこかで待ち合わせるのは面倒だ。とは言え、ポストや植木鉢の下に置くのはセキュリティ面で危険すぎる。鍵の授受を代行してくれるサービスもあるが、余計な出費と考える大家も多い。
さらに、ゲストがチェックアウトした後は清掃を行う必要があるが、これを第三者に依頼しているケースも多い。その場合も、鍵の受け渡しが発生する。
そんなときに活躍を期待されているのがスマートロックだ。現状のドアにデバイスをセットすれば、スマホで鍵を開け閉めできるようになる。ゲストや清掃者には一定期間のみ有効な鍵をシェアすればいいだけなので、物理的な移動の手間がかからない。
今回体験するスマートロック「Qrio Smart Lock」は、Qrio株式会社から販売されている製品。QrioはベンチャーキャピタルのWiLとソニーのジョイントベンチャーとして2014年の12月に創業。「Qrio Smart Lock」は2015年に発売され、話題になった。
スマートロックとは、スマホを使って鍵を開けたり閉めたりできるデバイスのこと。本製品は工事が不要で、現在使っている鍵にかぶせるようにして利用できるのがウリ。設置は簡単で、家族や友人など複数ユーザーで利用できる。さらに、これまで使っていた鍵をそのまま使い続けられるのも安心だ。まずは、「Qrio Smart Lock」を取り付けてみることにした。
家の鍵をスマートに 今の鍵を取り換えずシェアも簡単! Qrio Smart Lock(アスキーストア)
マニュアルに従いアダプタを選んで両面テープで固定する
最初のセットアップのみ、慎重に作業が必要だ。パッケージはコンパクトな箱にまとめられており、本体のほか、サムターンホルダーとアダプタ、簡易マニュアルなどが同梱されている。まずは、iOS/Androidの両方で公開されている「Qrio Smart Lock」アプリをインストールする。アプリを起動したら、アカウントを作成し、「Qrio Smart Lock」を登録する。
オーナー登録が完了したら、続いては「Qrio Smart Lock」の設置だ。上下左右、地面と垂直もしくは水平方向にセットできる。
サムターンホルダーは3サイズ用意されているので、ちょうどよい大きさを選び、本体にセット。まずは、装着した感じを確認してみよう。鍵をしっかり回せる状態で本体がドアにぴったり付いていればOK。サムターンホルダーの横に付いているネジをドライバーで回して調整したり、付属のアダプターをかませることもできる。
問題ないようであれば、粘着テープを貼る準備をして取り付けへ。30秒間強く押しつけて、その後1分待てば完了だ。スマホを使わず手動でも、黒いつまみを回すことで鍵の開け閉めができることを確認しておこう。
快適に利用するコツはあまりがっちりサムターンにくっつかないように設置すること。つまみを軽く挟み、遊びが少しあるくらいの方がいいだろう。あまりガチガチだと、鍵を開け閉めするたびに粘着テープに負荷がかかってしまうためだ。