Crew:中世よりヨーロッパには、勉強を終えた若者が1年間の旅をして技能を磨く「Wanderjahr(ヴァンダーヤール)」という伝統があります。「さまよう1年」という意味で、専門を離れ、新しいものに触れ、見識を広める「さまよい人」の文化です。今風に言えば、ジェネラリスト(さまざまな分野に通じた人)を志向するということになるでしょう。 今回は、いろんなことにチャレンジするときの心構えやメリットについてお話ししたいと思います。 新しいことにチャレンジする人生 ピューリッツァー賞受賞の生物学者、エドワード・オズボーン・ウィルソン氏の逸話がきっかけで、私はこの伝統を知りました。ウィルソン氏は数年にわたり、さまざまな国を旅しながらアリを集めたり、熱帯雨林について学んだのちに、学者としての人生をスタートしたそうです。 私も「さまよい人」でした。大人になる過程で、追求したいものや燃えるような情熱を持った
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