[rakuten:book:12080686:detail] 近未来。米情報軍の暗殺部隊員クラヴィス大尉は、様々な国で作戦を展開しながら民族虐殺の影に暗躍する男が存在する事を突き止める。クラヴィスはプラハ、インド、アフリカとその男を追跡してゆく。 軍事SFということで陰謀と硝煙が渦巻くアクションスリラーを期待していたが、作品の主題はそこでは無かったらしい。人々の深層心理に影響し虐殺を促してしまう”言語”がこの物語の核となる部分であるが、アイディアとしてはそれほど目新しいものではない。『攻殻機動隊』では”強制言語”という形で物語の中の瑣末なアイディアとして使われているし、ニール・スティーブンスンの『スノウ・クラッシュ』は人類全てに共通するアーキタイプの言語を発見した者が”言語による支配と破壊”を行おうとする物語だった。近未来SFガジェットもギブソンやイーガンほどの強い印象を残さない。むしろこ