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『ピッツァ職人』ナポリピッツァで人生が変わった! - HONZ
本書は魅力的な「問い」からはじまる。 若きピッツァ職人を取材していた時のこと。著者は職人の言葉にち... 本書は魅力的な「問い」からはじまる。 若きピッツァ職人を取材していた時のこと。著者は職人の言葉にちょっとしたショックを受けた。 「僕、高校に行っていないんですよ。十六の時にナポリピッツァを食べて感動して、十七から東京のピッツェリアで働いて、十八でナポリに行ったので」 学校に毎日通うのが当たり前だった者からすれば疑問に思う。高校に行けない事情があったわけではなく、本人いわく「いたって普通の学生」だったという。それが「ピッツァを食べた感動」ひとつで、人生の方向を決めるなんてことがあるのだろうか。一方で、清々しさもおぼえていた。それは、「学校に行かない選択肢だってある」という発見がもたらした、視界が開けたような感覚だったのかもしれない。 ピッツァ職人の名は、中村拓巳。世界大会で上位入賞するほどの腕前を持つ、1985年生まれのこの若者こそが、本書の主人公である。 未成年で、しかもアジア系の男子がひ
2023/05/26 リンク