「左官をやっています。たまに新しく若い日本人が採用されますが、1週間と続きません。人気がない仕事だということは、分かります」 ベトナム人技能実習生のコンさん(仮名・26歳)は、人懐っこい笑顔を浮かべ、自嘲気味にこう自己紹介をした。職場には日本人が3人と、コンさんを含めベトナム人技能実習生が3人。日本人は全員、50歳以上だという。 コンさんは2016年8月に左官作業の技能実習生として来日。実習計画は3年間で、来夏にはベトナムに帰る予定だ。しかし——。 「日本に来る前に稼げると思っていた金額をまだ稼げていません。このまま帰ったら、何のために来たのかわかりません」 筆者が「失踪するのか」と問うと、曖昧な笑顔を浮かべ、否定も肯定もしなかった。続けて筆者は「『特定技能』で滞在できるのではないか」と提案した。 「5年は長い、もう1人は嫌です」 2018年12月、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入