今年の夏、目立ったものと言えば「タトゥー」と答える人が少なくないのではないだろうか。ビーチで街で、肌に模様や文字を入れた若者たちにやたら遭遇する。ファッションとして一気に広まりつつあるように見えるタトゥー。ただし、こうした現状を半ば苦々しい思いで見ている人がいる。日本の伝統刺青の巨匠・三代目彫よし氏である。日本の刺青は「隠す文化」と説く氏に、日本の伝統刺青と昨今のタトゥーブームについて聞いた。 * * * 1979年に三代目を襲名し、以来、7000人近くに刺青を彫り、伝説の彫師とも称される三代目彫よし氏。まずは、これまでの来歴について。 ――そもそも刺青に興味を持たれたきっかけは? 「日本の伝統的なものが好きだったんだよね。刀とか、武士とか、男っぽい世界。で、中学生のとき、図書館で『文身百姿』を見つけて、衝撃を受けた。刺青を入れた人のグラビアがびっちり載っている本でね。あれは表現しようのな
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