このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 北海道大学のヒューマンコンピュータインタラクション研究室に所属する研究者らが発表した論文「OMEME: 非装着状態の HMD を用いたコンパニオンロボットの開発」は、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)を置くと置き台ごと動くコンパニオンロボットになるシステムを提案した研究報告である。 HMDは基本的に頭部に装着して使用するために設計されているが、その非装着時の利用法についてはこれまであまり深く考察されてこなかった。このため、HMDの内蔵センサーやその他の計算機機能が非装着時にはほとんど活用されていないという状況にある。 この研究では、非
