「格差」「過労死」「環境破壊」を生む「資本主義」。 これほど私たちを苦しめる資本主義を、私たちはなぜやめられないのか? その理由を明らかにし、資本主義の恐ろしい正体を暴いたのがマルクスの『資本論』だ。 重版を続けている白井聡氏の注目の書『今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義』では、マルクスが暴いた資本主義の暴挙が現代の私たちの全生活に及んでいることが明らかにされる。 すべてが「商品」なしでは成り立たない マルクスにおける資本主義社会の定義を明確化することができる。は、資本主義社会を「物質代謝の大半を、商品の生産・流通(交換)・消費を通じて行なう社会」と定義した。 「物質代謝」(metabolism)とは、辞書的に言えば、「生体内で行なわれる物質の化学変化の総称」であるが、要するに、人間を含むあらゆる生き物は、物質を外界から摂り入れ、それを分解・合成して自己の構成物質に同化して生命
