病院や養護施設で致命的な感染症を引き起こすクロストリジウム・ディフィシルは、抗生物質が効かない。では、バクテリアの免疫防御システムからヒントを得たCRISPRは、抗生物質代わりになるだろうか? by Emily Mullin2017.04.18 4 14 3 1 米国では抗生物質が効かないケースが増加している。そこで研究者は、病院や養護施設で致命的な感染症を引き起こすクロストリジウム・ディフィシルのようなバクテリアに対抗する新しい治療法を探している。 治療法のひとつが「クリスパー(CRISPR)ピル」だ。有害なバクテリアを自己破壊するように仕向けるピル(丸薬)だ。 CRISPRは強力な遺伝子編集テクノロジーだ。すでに人間の遺伝子を正確に編集して病気を治すといった治療方法が研究中だ(「個人向けの遺伝子療法はいつ実現し、誰が認可するのか?」参照)。それだけではない。CRISPRの応用可能領域は
