その歴史は古代ギリシャに溯る。 驚くべき事に、かつてジャンケンにはグーとパー以外の手が存在しなかったというのだ。 それでは皆がパーを出すのではないかと思うかもしれないが、そうはならない。なぜなら身分によって出せる手が決まっていたからだ。つまり、王族にのみパーを出すことが許されるという形で。 ただ力関係を確認するためだけの儀式であるジャンケンを"遊戯"だと言って憚らない王族の悪意に反駁したのが、かの有名なソクラテスであった。 「遊戯が行われる空間には、有形無形問わず、遊戯に関連しないものを持ちこむことはできない」 今日において当たり前のように出されている"チョキ"も当時は革命的な発明であったようだ。 なにせ三すくみという概念自体が存在しなかったのだ。チョキを加えるだけで"ただの儀式"が"平等な遊戯"に変わったことに万人が衝撃を受けたという。 しかしこの考えを受け入れない一部のアテネの民によっ
