【NEW】初のフォトエッセイ「ジョージア場末食堂探訪記」とうとう発売! ▶
さぼわーる。へようこそ!

今年こそ...今年こそは...世界の状況が落ち着いて、みなさんが行きたい場所に行けますように...!

穴場スポットや旅行に役立つ情報、各国グルメまで...
ヨーロッパ~コーカサス地域のニッチな情報多めの個人ブログ「さぼわーる。」へようこそ!

サイトのトップページをみてみる!

実はスローフード大国!モルドバ料理&ビールの魅力。【おすすめレストラン情報も】

こんにちは!モルドバに2週間ものんびりと滞在してしまった、世界半周旅行者・のぶよです。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

「モルドバ料理」と聞いて、具体的なイメージが浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。

モルドバは、ラテン系民族であるモルドバ人が多数を占める国でありながら、長い間旧ソ連の一部であったという特異な歴史から、その料理も二つの国の食文化が混ざった独特のものとなっています。

おまけに、物価がかなり安いモルドバでは、気軽にレストランで食事ができるのもうれしいポイント。

のぶよのような節約派バックパッカーでも、美味しい地元の料理を手軽にいただけます。

激安のモルドバの物価、モルドバ旅行の一日の予算についての記事はこちらから。

今回は、のぶよがモルドバ滞在中に食べたモルドバ料理とモルドバのビールを紹介します。

記事後半では、首都・キシナウでモルドバ料理を食べるのに全力でおすすめしたいレストラン、”Trattoria della nonna”もご紹介!

東ヨーロッパ・バルカン諸国の絶品グルメ15品を紹介しています!

モルドバ料理とは?3つの特徴

1.ルーマニア料理との共通点が多い

ルーマニアの国民食であるママリガ (トウモロコシのでんぷんを炊いたお粥のようなもの)サルマーレ (お米入りロールキャベツ)などの定番料理は、モルドバでも広く食べられています。

↑写真下の黄色いものがママリガ、右側がサルマーレ

というのも、モルドバの人口の多数を占めるモルドバ人は、実はルーマニア人と全くの同一民族

もともとモルドバはルーマニアの一部のモルダヴィア地方に属していたものの、近代になってソ連によって占領され、ルーマニアとは異なる歴史を歩むこととなった国です。

そのため、モルドバ人には「自分はルーマニア人だ」と考える人の割合も多く、二国間では文化や言語が共有されているのです。

とにかく絶品揃いなルーマニア料理14品を紹介しています。

2.ロシア料理のエッセンスを感じる味付け

しかしながら、「モルドバ料理=ルーマニア料理」とカテゴライズすることはできません。

というのも、長い間ソ連の一部を構成していたという歴史から、ロシアや旧ソ連諸国の料理もかなりポピュラーで、その影響は味付けや調理法にも見られるため。
(ルーマニアは旧ソ連ではありません)

ルーマニアではまず見かけない隣国・ウクライナの代表料理であるボルシチ(ビーツのスープ)や、ロシア風水餃子のペリメニなどは、モルドバでもかなりポピュラーな料理。

しかしながら、ロシア料理のようにサワークリームやディルという香草がのせられることは稀。
代わりにルーマニア料理お得意の刻みパセリがのることが多いです。

このように、ルーマニア料理をベースに旧ソ連時代の食文化がミックスされた独特の地位にあるのがモルドバ料理なのです。

3.地元の食材をふんだんに用いたスローフード

モルドバでは、新鮮な野菜やお肉などを格安で手に入れることができます

そのため、各家庭ではもちろん、どこのレストランでも美味しい食材を一から調理したスローフードが食されているのです。
(本人たちにその意識があるかどうかは別として)

というのも、冷凍食品やレトルト食品などを作るための工業化が進んでいないモルドバでは、そのほとんどがロシアからの輸入品。
そのために値段は割高で、いわば「既製品=ぜいたく品」なのです。

「だったら自分たちの野菜や肉で料理してやろう」という考えからおそらく始まったであろうモルドバのスローフード文化

スローフードとは、「ゆっくり調理した料理」ではなく、「自給自足中心で、素材からしっかりと調理された料理」のことを指します。

モルドバに来た際は、とにかくサラダや野菜のグリルを食べてみてください

濃い味付けはされていないにもかかわらず、甘味たっぷりの新鮮な野菜本来の豊かな風味に驚くはずです。

新鮮食材をはじめ、何でも揃うキシナウ中央市場に潜入した記事はこちら。

絶対食べたい!モルドバ料理をご紹介。

ここからは、のぶよがモルドバ滞在中に実際に食べたモルドバ料理を紹介していきます。

「セット」と記載されているものは、スープ、パン、メインがセットになったランチメニューを意味します。

鶏肉と玉ねぎの煮込み (Tocănita de pui)

トチュニタ(Tocănita)という、肉を一口大に切ったものをじっくり煮込んだ料理。

クタクタになるまで煮込まれたたまねぎの風味がしっかりと出ていながらも、優しい味わいです。

モルドバ料理全般に言えますが、味付けは濃すぎず、素材の持つ風味が強く感じられます。

鶏肉だけでなく、牛肉や豚肉バージョンのトチュニタもあります。

料金:セットで65MDL=¥420

鯖のトマトソース (Scrumbie în sos de tomate)

内陸国のモルドバですが、鯖を使った料理はモルドバ人みんなが大好きなメインディッシュの一つ。

こちらは、焼いた鯖にチェリートマトの甘酸っぱいソースをかけた一品。

鯖はとてもジューシーで全く臭みはありません。
焼き加減もちょうど良く、日本人の口に合うこと間違いなしです。

鯖はモルドバでかなりポピュラーな食材だったのが驚きです。
キシナウの中央市場でもよく見かけました。

料金:セットで65MDL=¥420

沿ドニエストル風ボルシチ (борщ)

旧ソ連そのままの街並みが広がるティラスポリで食べたボルシチは、かなり具沢山。

野菜たっぷりで、ウクライナのボルシチに比べるとかなりあっさりした味付けでした。

もちろんビーツも入っていますが、あくまでもたくさんの具材のうちの一つといった感じ。
スープの色も、私たちがイメージするボルシチの鮮やかな赤色ではありません。

スープの上にかけられるのは、サワークリームではなく普通のクリーム。
ディルの代わりに大きめに刻んだパセリが盛り付けられているのも、ルーマニア料理の影響に間違いないでしょう。

料金:26沿ドニエストル・ルーブル=¥182

沿ドニエストル風肉じゃが

この料理を食べるためだけにでも、ティラスポリへ行く価値があると思う一品。

料理名を聞いたのですが覚えられませんでした…。
なので勝手に「沿ドニエストル風肉じゃが」と名付けました。(笑)

じゃがいもと人参、玉ねぎ、きのこなどをじっくりと煮込んだものに、ニンニクに漬けられた豚肉を合わせたもの。

つまり肉じゃがなわけです。

これ、まじでおいしいです。
のぶよ的にはモルドバで一番、いや、これまでの世界半周で食したものの中で断トツ一番です。

肉じゃがの上には、ロシアとモルドバの間で揺れ動く未承認国家・沿ドニエストルを象徴するように、ロシア風のディルとモルドバ風の刻みパセリ両方がのっています。

皿の上だけでなく、現実世界でも仲良くしてほしいものです(笑)

料金:26沿ドニエストル・ルーブル=¥182

ティラスポリ観光情報はこちら。絶品レストラン情報も!

コルトゥナシ (Coltunasi cu cartofi)

ポーランドのピエロギ、ロシアのぺリメニなど、東欧圏ではどこでもポピュラーな水餃子。
モルドバではコルトゥナシ(Coltunasi)と呼ばれ、三角形の形が特徴です。

具のバリエーションは様々ありますが、のぶよが食したのは味付けしたマッシュポテトが入ったもの。
好みでサワークリームをかけて食べます。

一目で手作りだとわかる見た目も、なんだか可愛らしい一品。

茹でた後にバターをのせて味付けをしているようで、器の底にたまったソースまでおいしかったです。

料金:40MDL=¥260

チキンソテー マッシュルームソース (Escalop de pui cu ciuperci)

柔らかくソテーされた鶏肉に、マッシュルームたっぷりのバターソースをかけたもの。

しっかりした味付けが特徴のモルドバの鶏肉に、旨味たっぷりのマッシュルームソースをかけたものが美味しくないわけがありません。

付け合わせの野菜サラダも甘味が強いくて絶品でした。

料金:セットで65MDL=¥420

モルドバのビール

Chisinau

モルドバの首都・キシナウの名を冠したブロンドビールは、アルコール度数抑えめで飲みやすいです。

これ以外にあまり国産ビールの種類がないモルドバ。隣国ウクライナやルーマニアからの輸入品が目立っていました。

アルコール度数:4.5%
値段:12.3MDL (=¥81)/500ml

Dobrovar

沿ドニエストルのティラスポリ産のビールで、ラガーやウィーン風などいくつか種類があります。

こちらはウィーン風で、結構濃いめの味。
黒ビールのような深みがあって美味しいです。

アルコール度数:4.5%
値段:10沿ドニエストル・ルーブル(=¥70)/500ml

ナーシェ ピーヴァ

「私たちのビール」という名の、沿ドニエストル産ビール

アルコール度数はかなり少なく、もはやビール風味の水を飲んでいるようです(笑)

アルコール度数:2.8%
値段:12.5沿ドニエストル・ルーブル(=¥88)/1000ml

キシナウでモルドバ料理を食べるなら!おすすめレストラン

モルドバの伝統料理をお得に食べたいなら、断然おすすめするのがこちらのレストラン、キシナウで数店舗出店している、Trattoria della nonnaです。

イタリア料理メインのお店ではありますが、モルドバの伝統料理も数多く取り扱っています。

内装は少し高級感が漂う落ち着いた雰囲気。それでも心配はいりません。

ここはモルドバ。
こんな良い感じのレストランでもお得に食事ができてしまうんです。

おすすめは、「ビジネスランチ」と呼ばれるランチメニューです。

11時~16時まで注文でき、スープ、メイン、サイドメニュー、パン、全て込みで65MDL(=¥420)という驚異の価格。

ちなみにこちらは食堂ではありません。ちゃんとしたレストランでこの価格です。
キシナウ滞在中に何度お世話になったことか。

メニューはルーマニア語かロシア語のみ。しかし全てに写真が載っているので困ることはないでしょう。

ランチメニューは、月曜から金曜まで日替わりであるように書かれていますが、実際は月曜~日曜のランチタイムなら、この中から好きなセットを選ぶことができます。

平日だけではなく、土日にもランチメニューを提供してくれるのもポイント高いです。

前菜として出されるスープは日替わりで、野菜をベースにソーセージや鶏肉、ベーコンなどが入ったシンプルな味付けのもの。
必ず大量の刻みパセリがのってくるのはモルドバ料理あるあるです。

メインメニューの写真は、すでに上のモルドバ料理の項に載せています。
何を隠そう、この記事内のほとんどのモルドバ料理はこちらのレストランで食べたものだという(笑)

それぐらい、安く美味しくモルドバのスローフードが味わえるおすすめレストランだということです。

インフォメーション

Trattoria della nonna

住所:Strada Mihail Kogălniceanu 62, Chișinău, モルドバ
営業時間:全日 7:00~翌2:00

おわりに

全く持って知名度のないモルドバ料理について解説してきました。

ルーマニア料理とロシア料理の中間という独特のポジションの絶品料理の数々は、もっと注目されるべきだと強く思います。

物価が安いモルドバでは、節約スタイルの旅でも美味しいものが手軽に食べられるのも嬉しい点。
まだ誰も知らないスローフード大国の魅惑の食文化、是非体験してみてはいかがでしょうか。

東ヨーロッパ・バルカン諸国の絶品グルメ15品を紹介しています!

モルドバの記事をもっと見る

コメント

error: さぼわーるの全記事は保護されています。
タイトルとURLをコピーしました
pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy