恐縮ですが、タイトルは好きな映画「桐島、部活やめるってよ」をリスペクトしています。
実は株式会社ヘンリーのVPoEを3年あまり勤めましたが、ついに卒業することにしました。当たり障りのない話はあまり好きではないので、退職エントリーを長々と書くつもりはありません。退職理由は3行にまとめます。全部本音なので、これ以上でもこれ以下でもありません。
- やはり0→1が一番好きで自ら課題解決をしたくなった
- 生成AIの波を一人称視点で体験したくなった
- 医療基幹システムを中長期のキャリア主戦場にする意欲がまだ足りなかった
これまで関わった方々、そしてこうした経験に恵まれたことには、心の底から感謝しています。仕事を進める中で意見が食い違うことは不可避でしたが、スタートアップならよくあることだと理解しているので、退職にあたってネガティブな思いはほとんどありません。
さて、次にどんな事業を0→1したいかというと、この4~5年間ほど採用活動に携わってきた中で抱いた課題意識を解決する事業を立ち上げたいと考えています。
具体的には下記の違和感と向き合いたいです。
- 昨今のエンジニア向け調査データを見ると、会社の知名度と好感度はほぼ正の線形相関になっていて、「知名度を上げれば好感度も上がる」構図になっています。これがシード〜シリーズAあたりの企業にとって厳しい偏りを生んでいるように感じます。
- こうした現状もあって、エンジニア採用活動の手法が「広報が命」の方向に偏っており、組織の底力を高めるよりも露出に力を注ぐケースが湧き始めています。こういう状況に対しては、もっと改善の余地があるのではないかと思います。
- スカウトテンプレが嫌われている一方で、有名人名義や有名企業だと返信率があまり下がらないという現象があります。むしろ効率面で優位に働くことで、前述の事象に拍車をかけているようにも感じます。もっと良いオペレーションがあるのではないか、と考えています。
魅力的な有名企業が多いですし、継続的な技術発信などの採用広報は重要かつ有益な活動だと理解しているつもりです。その一方で、本当に素敵な会社が多く埋もれてしまっているのも事実です。その良さが知られていないだけで求職者に振り向かれないことが多々あります。私がビズリーチに在籍していた頃、トータル27社の転職エージェントを利用した際の違和感からダイレクト・リクルーティングのサービスを生み出したと南さんが語りましたが、すべての転職エージェントをなくすべきとは仰いませんでした。今の自分の気持ちもそれに近く、広報不要というより現状の選択肢が偏りすぎていると感じてしまい、もどかしさを覚えます。
ちなみに、私が「桐島、部活やめるってよ」を好きな理由は、学園の題材を借りて社会にある不合理な序列ピラミッドをわかりやすく描き、さらにゾンビ映画撮影という出来事でその序列を一気にぶち壊して、観客である自分まで爽快感を味わわせてくれるところにあると思っています。Web2.0の登場によって序列が一度立て直されたように、私から見ると、今の生成AIの波はまさに不合理なバランスを矯正できる大きな力で、めったに出会えないチャンスだと感じています。
というわけで、もし同じように今の採用市場に違和感を抱えながら「なんとかしたい」「改善したい」と思っている方がいらっしゃったら、ぜひ下記でご連絡ください。すでに構想を具現化し始めていますので、もしイメージが湧いて「一緒に挑戦してみたい」と思っていただければ嬉しいです。もちろんアイデアの壁打ちや飲み会のお誘い、キャリア相談なども大歓迎です。
LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/shenyuzhang/
反骨精神に栄光あれ! 🙌
*タイトル写真はGrokで作成しましたので、実在しているビルではありません。