縁側で囲碁を打つ老人二人、源さんと茂さん。 盤上には黒と白の石が複雑に絡み合い、静かな時間が流れていた。 「源さん、またしても私の勝ちのようじゃな」 「いやいや、まだ勝負は分からんよ」 源さんはそう言いながらも、盤面をじっと見つめていた。 「しかし、こうして囲碁を打つのは本当に楽しいのう。若い頃は仕事に追われて、なかなか時間が取れなかったが、今はこうして好きなだけ囲碁ができる。人生、何が起こるか分からんもんじゃな」 茂さんがしみじみと言った。 「本当にそうじゃな。わしも若い頃は、まさかこんなに囲碁にハマるとは思ってもみなかった。でも、こうして茂さんと出会って、囲碁を教えてもらって、本当に良かっ…