ササン朝の版図だったメソポタミア・イラン地域で製作されたガラス製品。ユーフラテス川以東に分布するササンガラスはソーダ源に植物灰を用いてあり、マグネシウムやカリウムに富んだ組成を示す。ユーラシア東西交易により中国、そして日本にももたらされており、日本では古墳からの出土のほか、正倉院に伝世品が所蔵されている。 ガラス生産はじまりの地 ササン朝の成立とガラス生産 イラン北部への流通 西晋とオアシスルート 江南の海上貿易 北朝と隋・唐 日本出土のサザンガラス 参考文献 ガラス生産はじまりの地 人工素材としてのガラスが最初に実用化されたのは北メソポタミア地域とされる。考古学的に確認できる最古のガラスは北…