「人生に感じる不自由さは、考え方ひとつで消せます」
自分の生き方や置かれた状況に「悩む人」がいる一方で、同じ環境にいても「悩まない人」がいます。ではどうすれば、「悩みやすい不幸体質」を卒業して、「絶対に悩まない人」になれるのでしょう。
その方法を教えてくれるのが、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』です。12歳からの6年間を「修道院」で過ごした著者が、あらゆることが禁止された暮らしで身につけた「しんどい現実に悩まなくなる33の考え方」を紹介。悲観でも楽観でもない、現実に対するまったく新しい視点に、「現実の見方が変わり、モヤモヤがスッと晴れた」といった声が多数寄せられています。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「他人に対する怒りが消える考え方」を紹介します。

つらいときは「とことん悲しむ」
他者から傷つけられ、どうしても受け流せず、悲しくなる。たとえ相手の本心ではなかったとしても、割り切れないときもあります。
「なぜ自分がこんな思いをしなくちゃいけないのか」
沸々と怒りが生まれて、やり返したくなります。
そんなときは、まずはとことん悲しんでみます。
復讐とは、悲しみの感情を別のエネルギーに変えて発散しようとする手段です。
そこで発散ではなく、悲しむこと自体にエネルギーを使ってみるのです。
「悲しむ」ことは、生きるために必要
私も修道院にいたころは、よくひとりで悲しんでいました。
基本的に集団行動で、部屋も4人共同なので、ひとりになれることは皆無でした。ですが、インフルエンザなどの高熱や流行病に罹ったときだけ入ることが許される小さな部屋があり、唯一そこでは、ひとりになることができました。
私はメンタルが不安定になると体調に出るタイプだったので、よくその部屋で休憩させてもらいながら、ひたすら悲しみと向きあっていました。
泣くだけ泣いて、落ち込むだけ落ち込む。泣き疲れたら寝て、起きたらまた泣いて……。繰り返していくと、しだいに悲しみのエネルギーは減っていきました。
泣いたり逃げたりして非難される生き物は、きっと人間くらいです。
悲しむことは生存本能。悪いことではないのです。
悲しむことにも、やがて「飽きて」くる
全身全霊で悲しむと、やがて疲れてきます。
もはや、やり返そうという気力ももてなくなります。
そしてどこかのタイミングで「暇だな」と思えるときがきます。
ベッドで泣き疲れ、体もだるく、スマホを見るのにも飽き、寝すぎて寝られない。そしてふと、「ここにいるのも飽きたな」と思えてくるのです。
悲しむのにもエネルギーが必要ですから、いつまでも続くわけではないのですね。
「いつもの生活」で、「いつもの感情」を取り戻す
ここがチャンスです。
暇だと思えてきたら、10分でいいから何かできることをやってみます。
お風呂に入るのでも、料理をするのでもかまいません。その行動が、また日常へと戻っていくための第一歩となります。
そして時間をかけながら、動ける時間と範囲を少しずつ広げていきます。
お風呂に入ることができたら、次はコンビニへ行ってみる。
ご飯を食べられたら、次は散歩に行ってみる。
そして少し気が晴れたら、また休む。
それを繰り返しているうちに、誰かと会ったり、仕事をしたりできるようになっていくことでしょう。
「いつもの生活」を取り戻すことで、感情もまた「いつもの状態」に戻っていくのです。
(本稿は、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では他にも、「悩みが消える考え方」を多数紹介しています。)