バージョン(version)とは、ラテン語の「versiō」という単語が語源になっていてこれは「曲がった状態」「向きを変えた状態」などを意味する。
現在の英単語で「version」と言った場合は「変形したもの」「変形した作品」「脚色したもの」「翻訳したもの」「他人と違う意見、考え」「~したもの、~型、~版」などの意味を持つ単語である。
概要
現代ではコンピューターのソフトウェアや機械などの型番に「バージョン」という単語が当てられやすい。
例えば、「バージョン1.0」と「バージョン1.5」を比べた場合は「バージョン1.5」の方が新しい事を指し、機械などの分野では性能が向上している事を意味する場合が多い[1]。
日本において「バージョン」と言えば「リビジョン」に近い使い方をされているが、実際にはリビジョンは『修正』を意味することが多く、バージョンでは『機能の追加』なども発生する。そのためリビジョンが違っても機能は変わらないが、バージョンが違えば違う機能などが追加されている場合がある。
PCソフトなどではパッチなどが配布されるたびにバージョンは上がっていく。また、出荷時期によりバージョンが違う場合もある。
また「新バージョン」「スペシャルバージョン」などのような使い方もされ、これは「~版」のような意味合いを含む。
番号の意味
昔は各会社や開発者ごとに適当に番号を振っていたが、最近ではオープンソースソフトウェアを中心に、たとえばバージョン5.12.3のように"."で3つの数字を区切ってバージョン番号を付けることが多い。こういったバージョン付けの規則を明文化した規格としてSemverがある。
パッチバージョン
末尾の3の部分は、バグフィクスのバージョン(パッチバージョン)番号で、調整やバグの除去などの小規模な更新であるが、仕様の変更は含んでいない。
マイナーバージョン
真ん中12の部分は、マイナーバージョンの番号で、機能の追加などで仕様が変更された時に番号が上がるが、互換性は保たれるので、アップグレードすればそのまま使用できる。
メジャーバージョン
先頭の5の部分は、メジャーバージョンの番号で、ここが変わるときは互換性が犠牲になることを意味する。旧バージョンで使用していたデータはアップグレードの際に修正を要する可能性が高い。
そのソフトウェアと連動するソフトウェアにも修正が必要になるため、メジャーバージョンの移行期には新旧両方のサポートが必要になり作る側も使う側も負担が大きい。
中にはメジャーバージョンの移行にユーザーがついてこずオワコン化したものも…
ベータ版
またメジャーバージョン番号が0であることはベータ版であることを意味し、その間はマイナーバージョン間であっても互換性は保証されない。仕様を確定させたくないために永遠のベータ版(バージョン0.17とか)になっているものも珍しくない。
参考: D言語
その他
上位のバージョン番号が増えると下位の番号は0にリセットされる。小数点ではないので、5.9.11と5.10.0では後者の方が後のバージョンである。
もちろん商用ソフトウェアを中心に、この規則に従わないものも多い。Windowsはマイナーバージョンの変更はビルド番号で表したりする。大した変更がなくてもアップグレード料金の徴収を正当化するためにメジャーバージョン番号が上がることもある(ときにはマイナーバージョン番号が上がるだけでフルプライス並の金額が必要になることも)。
また、新しくなったことをアピールするために意図的にバージョン番号を飛ばすことがある。Windows 8 の不振イメージを払拭するため、Windows 9が欠番になり、Windows 10となった例は有名である。
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関連項目
脚注
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