フジテレビの苦境を予想
はたして企業の未来は見通せるのか。今からちょうど10年前。'15年に本誌が行った『10年後「大きくなっている会社」「小さくなっている会社」』の誌面がSNS上で拡散され、「かなり当たっている」と評判になっている。
記事では、経済や企業に精通する識者8名に、日本の有力企業349社の中から「10年後に大きくなっていると思う会社」「現状維持はできていると思う会社」を選び、それぞれに◎、◯をつけてもらった。◎は2点、◯を1点で集計し、ゼロ点に近い企業は「10年後に小さくなっている会社」とも言える。
例を挙げると、16点満点中、トヨタ自動車は13点、デンソーは15点、ファナックは14点、三菱商事は13点、リクルートHDは12点、ユニクロを展開するファーストリテイリングは11点。これらは押しも押されもせぬ世界企業として、この10年で着実に業績を伸ばしてきた。
片や、日産自動車やカルソニックカンセイ(現マレリHD)は0点、フジ・メディア・HDは1点、ドラッグストアのツルハHDは0点だった。
日産はカルロス・ゴーン会長が失脚してジリ貧に陥り、本田技研工業との統合を模索している。日産系自動車部品メーカーだったカルソニックカンセイはマレリと名前を変えたものの、今も業績不振に苦しむ。フジテレビは言わずもがな。ツルハは規模を拡大するため、ドラッグストア最大手のウエルシアHDとの経営統合に追い込まれた。
複数の識者の見識を総合すれば、かくも信頼できる未来予測を行うことが可能なのだ。