ビル・ゲイツが「シリコンバレーを理解したいのならドラマ『シリコンバレー』を見るべき」と熱く語る理由
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アメリカのシリコンバレーで、プログラマーたちが会社を興してアプリを売りだそうと奮闘するドラマ「シリコンバレー」は、これまでも実際にIT企業で働く人々の間で大きな話題となっていました。シーズン6の公開が待たれているところですが、ドラマのファンであるビル・ゲイツ氏が「シリコンバレーを理解したいのならば『シリコンバレー』を見るべきだ」という記事を公開しています。
If you want to understand Silicon Valley, watch Silicon Valley | Bill Gates
https://www.gatesnotes.com/About-Bill-Gates/Silicon-Valley
シリコンバレーを描いた作品として、「Fire in the Valley」や「スティーブ・ジョブズ」「The Innovators」など、優れた本はいろいろありますが、「今日のシリコンバレーがどのようなものなのかを本当に理解したければ、HBOのドラマシリーズ、シリコンバレーを見るべきだ」とゲイツ氏は語ります。
シリコンバレーはリチャード・ヘンドリックというプログラマーが主人公のドラマで、GoogleやMicrosoftをほうふつとさせる架空の大手IT企業「Hooli(フーリー)」で働いていたリチャードが、会社をやめて仲間と共に「Pied Piper(パイド・パイパー)」というスタートアップを立ち上げるという話。リチャードたちが企業戦略を練り、製品を作り、資金を集めて会社を成長させようと四苦八苦する様子が描かれています。
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もちろんドラマなのでストーリーは誇張されていますが、「全ての偉大なパロディがそうであるように、この話は多くの真実を描いている」とゲイツ氏。「賢く、友人に対してでも競争心を燃やし、社交に関しては無知」というプログラマーのキャラクターは、ゲイツ氏にとってよく見知ったものであるとのこと。特に、パイド・パイパーのCEOであるリチャードの「プログラマーとしては優秀だが人のマネージメントについて学ぶ必要がある」という点について、ゲイツ氏は自分との共通点を見いだしています。
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また、起業家の「意欲的だがビジョン・ステートメントを過度に重視する傾向」もよく現れているとのことで、
「ホットドッグを食べているか否か」を知らせるアプリが世界をどのように変えるか、ということについて登場人物が真面目に話し合っている様子に「私のようなテクノロジー信者であっても笑ってしまう」とゲイツ氏は語りました。
ドラマの脚本家やプロデューサーは新しいシーズンを作成する前に入念な調査を行っており、ゲイツ氏もシーズン5の前にはドラマの制作陣と会って話をした一人。
ゲイツ氏の回りには「ドラマはシリコンバレーの人々をバカにしているのだろう」という理由でドラマを見ない人もいるそうですが、このドラマは決してシリコンバレーで働く人を不必要にバカにしたものではないとゲイツ氏は考えています。人々の生活を向上させるツールが認められることがあれば認められないこともあります。アイデアが正しく理解されることもあればされないこともあり、ある人が失敗すれば、それに少し手を加えただけのアイデアを別の人が大成功して「天才だ」と残りの人生で称賛を浴びることも。このようなシリコンバレーを、ドラマは「完璧に」描いているとゲイツ氏は絶賛しました。
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1点だけ、ゲイツ氏が不満に思っているのは、ドラマは「パイド・パイパーのような小さな会社は有能だが、フーリーのような大企業はまぬけだ」という印象を与えること。もちろん、このような描かれ方がされているのは「勝ち目がない小さな企業の戦い」という点に焦点を向けた方がドラマが面白くなるためです。しかし自分自身の経験から、小さな会社でも不条理なことは起こり、大企業は、小さな企業が行えないような長期にわたるしっかりした研究に投資できるというメリットがあるとゲイツ氏は述べています。
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in メモ, Posted by darkhorse_log
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