Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

学生の授業評価結果を教育業績評価にフィードバックするか否か

high190です。
今ではどの大学でも学生による授業評価を行っていると思います。
ただ、学生の声を大学改革にどう役立てていくかはまだ未知数です。


学生による授業評価は、授業の改善だけでなく教員の評価にも使われる。昨年の第1回「大学の実力」調査では、授業評価アンケートを教員の教育業績評価に反映させている大学は129校、約26%を占めた。
教育業績を評価しない大学が半数弱の224校もあるのを考えあわせると、評価を行う大学の半分近くが学生の声に耳を傾ける姿勢を持っていることになる。
この春、全国で初めて公設民営から公立大学になった高知工科大は6年前から、教育・研究・社会貢献の分野ごとに分析した業績評価を教員の給与査定などに使っている。
教育面で重きを置くのが学生による無記名の授業評価。教授職の年俸では年間250万円もの差が出るが、表立った不満はないという。「学生は、きちんと向き合う教員を高く評価する。教員自身がそれをよく理解しているから」と岡村甫理事長は説明する。
しかし一般的には、授業評価に対する教員側の不信感はまだ根深い。先日開かれた大学教育学会のシンポジウムで、壇上の教員が学生の評価について「無責任」「教員評価への反映は疑問」と発言すると、会場にはうなずく姿も見られた。
昨年の大学設置基準の改正で、教育改善が大学に義務づけられた。教え子を信じられない教員の下で、どのような学びや改善を期待できるのか。道のりの遠さを実感した一幕だった。(松本美奈、2009年6月12日掲載)

すでに多くの大学で、学生アンケートに基づく授業評価が実施されている。しかしながら、これを教育改善に積極的に活用しているところは少ない。これは、学生にまともな授業評価ができるのか、人事評価に流用されるのでは等、教員側に不信感が根強いためと思われる。又、教育・学問の自由に対する侵害ではないかとの意見もある。
確かに、学生が回答するだけで終わってしまう一方通行のアンケートには、いろいろな問題がある。しかしながらそこには、授業改善を目的として学生アンケート行うのだ、という意識が欠落している。学生側の意見をふまえて、彼らの正当な批判は真摯に受け止め、改善してゆかなければならない。しかし、彼らが誤解している部分に対しては、もう一度授業の目的を含めてきちんと説明し、理解させるよう努める必要がある。
その意味で、アンケートを継続して行って授業改善を図るとともに、その都度結果を学生にフィードバックすることが重要である。そして、この一連のプロセスを通じて、学生に授業への参加意識を芽生えさせ、ひいては批判的精神を育むことにもつながるとの認識を持つことが必要である。

学生の声は大学にとって血のようなものです。学生の声をしっかり受け止めなければ大学はおかしな方向に行ってしまいます。
授業評価のアンケートの活かし方も考える必要がありますが、目安箱を設置したりして学生の声をダイレクトに受け止めることもできます。

要は学生の声をしっかり受け止めて、改革の材料にすることが必要だということ。
そういった意味では大学改革のための素材は、自分たちの足元に転がっているのです。

学生に迎合するのではなく、大学を学生とともに作っていくために学生の声を聞く必要があります。

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