横浜美術館
横浜美術館(よこはまびじゅつかん)は、神奈川県横浜市西区みなとみらいにある美術館。1989年(平成元年)3月25日に横浜博覧会のパビリオンとして開館、博覧会終了後の同年11月3日に正式開館した[4]。みなとみらい地区の歩行者動線・都市軸の一部であるグランモール公園沿い(同地区の36街区)に位置する。
横浜美術館 Yokohama Museum Of Art | |
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正面の外観(美術の広場より2009年撮影) | |
施設情報 | |
前身 | 横浜博覧会パビリオン |
専門分野 | 近代美術、現代美術、写真、工芸、横浜ゆかりの代表的作家の作品 |
収蔵作品数 | 美術作品約1万点(うち写真約4200点)、蔵書約10万冊 |
来館者数 | 770,310人(平成20年度業務報告及び収支決算)[1] |
館長 | 蔵屋美香 |
学芸員 | 12人 |
研究職員 | 指導員7人、司書3人 |
事業主体 | 横浜市 |
管理運営 | 公益財団法人横浜市芸術文化振興財団・相鉄エージェンシー(現:横浜メディアアド)・三菱地所ビルマネジメント共同事業体[2] |
年運営費 | 823,119,888円(平成23年度決算書)[3] |
建物設計 | 丹下健三都市建設設計事務所 |
延床面積 | 26,829 m² |
開館 | 1989年11月3日 |
所在地 |
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1 |
位置 | 北緯35度27分25.62秒 東経139度37分50.42秒 / 北緯35.4571167度 東経139.6306722度座標: 北緯35度27分25.62秒 東経139度37分50.42秒 / 北緯35.4571167度 東経139.6306722度 |
アクセス | #所在地・交通参照 |
外部リンク |
yokohama |
プロジェクト:GLAM |
改修工事のため2021年(令和3年)2月より開館以来初めて長期休館したのち、2024年(令和6年)3月15日にリニューアル再開館した(詳細は後節)。
特徴
編集建物は延床面積26,829m2、丹下健三都市建設設計事務所の設計である[5][6]。
幕末以降の横浜ゆかりの作品群、セザンヌ、マグリットなどの作品も所蔵している[6][7](後節の「#主な収蔵作品」も参照)。
また、横浜が日本の写真発祥の地にあげられることから写真部門を設けており、写真の収集・展示に力を入れているほか、「みる、つくる、まなぶ」を三本の柱とする複合美術施設である[6][7]。
ヨコハマトリエンナーレ2011よりメイン会場の一つとして利用されている。
主な施設・設備
編集施設は地上3階建て(一部8階建て)で美術情報センター、ミュージアム・ショップ、レストランなどの施設がある。
- 駐車場 - 収容台数148台。屋内駐車場完備[8]。
- 子どものアトリエ - 光と音のスタジオ、プレイルーム、クラフトルームなどのスペースを備える。表現と創作体験を通じた教育を目的とした設備。「親子のフリーゾーン」など小学6年生(12歳)までを対象としたワークショップ等を年間を通じて行っている。広さは631m2[8][9][10]。
- 市民のアトリエ - 12歳以上を対象としたワークショップを通じて市民が創作体験する場として、絵画制作を行うオープンスタジオ平面室、陶芸・彫塑を行うオープンスタジオ立体室、各種版画の作成を行うオープンスタジオ版画室を備える。広さは586m2[8][9][10]。
- ミュージアムショップ - 美術館に併設されている。
- カフェ・レストラン小倉山 - ミュージアムショップの隣にある。
主な収蔵作品
編集ヨーロッパ近代美術と日本近代美術の相互影響の足跡をたどれる作品を中心に収集している。
- 椿君之肖像 - 岸田劉生
- 小倉山 - 下村観山
- 草花とアカリョム - 長谷川潔
- 江上舟遊 - 横山大観
- 闍維 - 下村観山
- 夏汀 - 菱田春草
- なにものかへのレクイエム(夜のウラジーミル) - 森村泰昌
- ガルダンヌから見たサント=ヴィクトワール山 - ポール・セザンヌ
- 王様の美術館 - ルネ・マグリット
- 真夜中の太陽 - イサム・ノグチ
- 岩の上の女神 - ギュスターヴ・モロー
- ひじかけ椅子で眠る女 - パブロ・ピカソ
- ジョルジュ・ブラック - 画架
- 花と蝶 - ジョアン・ミロ
- ガラの測地学的肖像 - サルバドール・ダリ
- 少女が見た湖の夢 - マックス・エルンスト
- 階段 - ポール・デルヴォー
- 網の中の赤 - ヴァシリー・カンディンスキー
- 遠藤又左右衛門と従者 - エリファレット・ブラウン・ジュニア
ギャラリー
編集- 外観
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横浜ランドマークタワーを背景に撮影(2024年5月)
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グランモール公園美術の広場より(2017年4月)
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正面入口(2024年6月)
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MARK IS みなとみらい屋上庭園から撮影(2024年5月)
- エントランス・回廊
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エントランスホールに設けられたグランドギャラリー、クラシックコンサートなどが開催されることもある(2012年6月)
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正面両サイドの回廊部分(2013年7月)
- 館内の併設施設・店舗
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美術館に併設されているミュージアムショップ(2014年2月)
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ミュージアムショップの隣にあるカフェ小倉山(2014年2月)
- オープンスタジオ・子どものアトリエ(2014年2月撮影)
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オープンスタジオ平面室
絵画制作のワークショップが開催される -
オープンスタジオ版画室
銅版画、リトグラフ、シルクスクリーン、木版画のワークショップが開催される -
オープンスタジオ立体室
テラコッタ、木工のワークショップが開催される -
子どものアトリエの工作室
オープンスタジオとして、ダンボールなどを使った工作ワークショップが開催される -
子どものアトリエ内に設置されている立て看板
館長・学芸員
編集所在地・交通
編集- 所在地
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
- 電車
- バス
- 桜木町駅から横浜市営バス156・292系統で「横浜美術館」下車
改修工事による長期休館
編集改修工事のため、2021年2月まで開催される企画展の終了後、2023年12月に開幕する予定でったヨコハマトリエンナーレ2023(第8回、これに合わせてリニューアルオープン)まで約3年間、長期休館することが発表されていた[11][12]が、世界的な半導体不足のため改修工事が遅れ、2024年3月15日が正式なリニューアル再開館日となった(これに合わせて第8回横浜トリエンナーレも同日開幕に延期された)[13]。今回の改修では、空調・電気関連の更新のほか収蔵庫の拡張やバリアフリー対応工事などが施されている[14]。
なお、改修工事期間中の仮事務所(移転先)として、みなとみらい地区48街区の「プロット48」(PLOT 48) を使用していた[15]が、再開館の準備もあるため2023年12月に事務所としての機能を当美術館内に再移転している[16]。
横浜トリエンナーレ閉幕後のスケジュールとしては、2024年11月に一部エリアやショップ・カフェなどがオープン(部分開館)したのち、2025年2月に全館オープンを迎える予定である[17]。
脚注
編集- ^ 平成20年度業務報告及び収支決算
- ^ 横浜市指定管理者一覧
- ^ 平成23年度業務報告及び収支決算
- ^ 概要:あゆみ(横浜美術館)
- ^ 概要:建築(横浜美術館)
- ^ a b c d 横浜美術館の「ミュージアムガイド」(パンフレット)より
- ^ a b c 美術館のコレクション(横浜美術館)
- ^ a b c 横浜トリエンナーレと創造界隈 2010年3月31日発行 横浜美術館
- ^ a b c 週刊朝日百科「美術館を楽しむ No.7」2004年11月28日発行 朝日新聞社
- ^ a b 市民グラフ ヨコハマ No.66 1988年12月発行 横浜市市民局
- ^ 横浜美術館で長期休館前最後の企画展 横浜・愛知・富山美術館と共同で企画 - ヨコハマ経済新聞 (2020年11月13日)
- ^ 横浜美術館の大規模改修工事に伴う長期休館について(横浜市文化観光局 2021年2月18日、2022年6月30日更新、2022年8月13日閲覧/2024年1月19日時点のアーカイブ)
- ^ ヨコハマトリエンナーレ2023が会期延期。半導体不足で横浜美術館改修工事に遅れ(美術手帖 2022年12月20日)
- ^ 横浜美術館改修へ 20年度から2年半休館 - 神奈川新聞「カナロコ」 (2017年3月3日)
- ^ “事務所移転のお知らせ”. 横浜美術館 (2021年7月16日). 2023年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月14日閲覧。
- ^ “事務所移転に伴う休業日のお知らせ”. 横浜美術館 (2023年12月1日). 2024年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月14日閲覧。
- ^ 横浜美術館リニューアルオープン後の予定(横浜美術館:お知らせ 2024年2月15日)