国営ひたち海浜公園
国営ひたち海浜公園[注釈 1](こくえいひたちかいひんこうえん、英: Hitachi Seaside Park[6])は、茨城県ひたちなか市にある日本の国営公園である。
国営ひたち海浜公園 Hitachi Seaside Park[1] Hitachikaihin National Government Park[2] | |
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分類 | 国営公園・都市公園 |
所在地 | |
座標 | 北緯36度24分2秒 東経140度35分29秒 / 北緯36.40056度 東経140.59139度座標: 北緯36度24分2秒 東経140度35分29秒 / 北緯36.40056度 東経140.59139度 |
面積 | 350 ha |
前身 | アメリカ軍水戸射爆撃場 |
開園 | 1991年(平成3年)10月5日 |
運営者 | 日本国(国土交通省関東地方整備局) |
年来園者数 | 213.6万人[3] |
現況 | 公園面積のうち、約55%が開園済み[4] |
設備・遊具 | 本文参照 |
アクセス | 勝田駅から茨城交通バス、約20分 |
告示 | 水戸勝田都市計画公園の変更(昭和58年茨城県告示第645号)[5] |
事務所 | 国営常陸海浜公園事務所 |
事務所所在地 | 茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4 |
公式サイト | 公式サイト |
概要
編集この地域は、1938年(昭和13年)に水戸陸軍飛行学校、大日本帝国陸軍水戸飛行場(前渡飛行場)が建設され[7]、第二次世界大戦後の1946年(昭和21年)6月には、アメリカ軍水戸射爆撃場[7] として利用されていた。その広大な跡地は、1973年(昭和48年)3月15日に日本国政府に返還され[7]「首都圏整備計画」の一環として整備されたものである。
1979年(昭和54年)に事業着手、1984年(昭和59年)に造成工事が開始され、1991年(平成3年)に約70haが開業した[8]。その後、何度も拡張を繰り返し、今に至る。
公園の総面積は350haに及んでいる。この面積は東京ディズニーランドの7倍程度の面積にあたるが、実際に公園として利用されているのは215.2ha(供用面積)で、全体の約61%に留まっている(2024年4月現在)[9]。
茨城県内における花の名所の1つでもあり、4月頃のスイセン・チューリップ、5月頃のネモフィラ、10月頃のコキア(ホウキグサ)などの時期には、キャンペーンイベントも行われる。
沿革
編集- 1979年(昭和54年) - 事業着手[8]
- 1984年(昭和59年)8月9日 - 都市公園を設置する区域が決定(建設省告示1203号)[8]
- 1984年(昭和59年)11月26日 - 工事着手 起工式[8]
- 1991年(平成3年)10月5日 - 第一期開園(70 ha)[8]
- 1995年(平成7年)3月16日 - たまごの森他 追加供用(6 ha)[8]
- 1996年(平成8年)4月1日 - ひたちなか自然の森他 追加供用(12.1 ha)[8]
- 1997年(平成9年)4月1日 - 林間広場、記念の森庭園 追加供用(4.4 ha)[8]
- 1998年(平成10年)7月26日 - 来園者数が500万人に到達[10]
- 1999年(平成11年)7月17日 - ファミリーパークゴルフ、BMX・MTBコース、南口駐車場他 追加供用(11.5 ha)[8]
- 2000年(平成12年)
- 4月15日 - 南口駐車場 追加供用(3.5 ha)[8]
- 8月 - ROCK IN JAPAN FESTIVALを初開催
- 2001年(平成13年)7月20日 - 砂丘ガーデン オープン(8.5 ha)[8]
- 2002年(平成14年) - みはらしの丘において、ネモフィラの植栽を開始[11]。
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)7月22日 - 砂丘観察広場 供用(9.2 ha)[8]
- 2008年(平成20年)4月20日 - みはらしの丘、みはらしの里一部供用(6.1 ha)[8]
- 2009年(平成21年)4月18日 - 砂と海の林、みはらしの里サイクル園路 追加供用(12.1 ha)[8]
- 2010年(平成22年)10月 - みはらしの里・多目的広場 追加供用(7.2 ha)
- 2011年(平成23年)3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で施設破損が相次ぎ、4月8日まで休園。4月9日より部分開園し、4月19日より一部を除き全面開園に戻る。
- 2012年(平成24年)5月 - みはらしの丘、サイクリングコース、散策路 追加供用(31.5 ha)
- 2013年(平成25年)5月9日 - 来園者数が2000万人に到達[10]。
- 2015年(平成27年)3月26日 - 沢田湧水地、多目的広場(西口)供用開始(7.6 ha)[13]。
- 2017年(平成29年)10月14日 - 海浜口駐車場周辺、供用開始(1.2 ha)[13]。
- 2018年(平成30年)5月4日 - 累計入園者数3000万人に到達[14]。
- 2019年(平成31年)3月29日 - 砂丘エリア、供用開始(14.5 ha)[13]。
- 2020年(令和2年)
- 4月4日 - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に伴い休園[15]。6月1日より再開[16]。
- 2022年(令和4年)7月23日・24日 - LuckyFM Green Festival(2023年からLuckyFesに改名)を初開催。
- 2024年(令和6年)4月21日 - 累計入園者数4000万人に到達[17][18]。
施設構成
編集公園は7つのエリアに分かれており、その中に個々のアトラクションが設置されている。アトラクション間にはサイクリングコースが整備され、広大な敷地を自由に行き来することができる。また、主要なアトラクション間を結ぶシャトルバス、「シーサイドトレイン」もある。
西口エリア
編集- スイセンガーデン
- チューリップガーデン
- たまごの森
- たまごの森フラワーガーデン
- ひなの林
- 記念の森レストハウス
- 水のステージ
- 池の中にステージがあり、その周りに約1万人を収容できる観客席がある。
- 西池
樹木エリア
編集みはらしエリア
編集- みはらしの丘
- みはらしの里
- 里の家
- 再現された古民家。
草原エリア
編集- 大草原
- 約8ヘクタールの芝生の広場。
- 林間アスレチック広場
- ディスクゴルフコース
- バーベキュー広場
- 大草原フラワーガーデン
- 常陸野(ひたちの)のこみち
- 主に秋の七草など秋の風情が感じられる草花を楽しめる。
砂丘エリア
編集- グラスハウス
- グリーン工房
- 陶芸棟
- ロックガーデン
- 岩組みの乾燥した窪地で多種類の観葉植物が観察できる。
- サンドガーデン
- 約60種の海浜植物が観察できる。
- 海浜観察園路
- 海浜の砂地でも育つ海浜植物が観察できる。
- 砂礫(されき)ガーデン
- かつて、海岸集落や磯浜でよく見かけた植物を栽培している。
- サイレントギャラリー
- はだしの谷
- 香りの谷
- 香水用ハーブなど香りに関する植物が観察できる。
南口エリア
編集プレジャーガーデンエリア
編集なおこのエリアは『世にも奇妙な物語 2012年 春の特別編』の鈴木福主演における「7歳になったら」の劇中で、観覧車や、遊園地の風景でロケ地となった。 また、刑事ドラマ『古畑任三郎』第2期において、木村拓哉ゲスト回「赤か、青か」のロケ地としても使われた[注釈 2]。
行われる主なイベント
編集春
- flowering フラワリング
- ひたちなか・大洗・東海PRの日/ひたちなかフラフェスティバル(毎年5月中旬)
夏
- とびっきり!夏フェア!
- LuckyFes (毎年7月下旬)
秋
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL(2000年から2019年までは8月上旬、2024年(予定)は9月中旬に開催[19])※2020年・2021年は新型コロナウイルス感染症対策のため中止。2022年・2023年は会場を千葉市蘇我スポーツ公園(千葉県)に変更する形で開催[20][21]。
- きて みて さわってコキアカーニバル
冬
- ぽかぽか冬フェア
キャラクター
編集入場料金・時間等
編集- 入園料
- 大人(高校生以上):450円 (団体 290円)
- 65歳以上:210円 (団体 210円)
- 年間パスポート 大人:4500円、65歳以上:2100円
- 団体は大人子供合わせて20人以上。
- 中学生以下・障害者手帳所持者と付添1人は無料。
- 無料開園日
- 敬老の日(65歳以上)
- その他、都市緑化期間として、5月と10月の日曜日に設定されることがある(2021年10月は土曜日)
- 開園時間(2015年度)
- 休園日
- 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌水曜日)
- 12月31日、1月1日
- 2月の第1火曜日からその週の金曜日まで
- 毎日開園する期間(2015年度)
- 春期 - 3月26日〜5月31日
- 夏期 - 7月21日〜8月31日
- 秋期 - 10月1日〜10月31日
- 冬期 - 12月25日〜12月30日
- 駐車場
- 駐車台数 - 西:2000台、南:2000台、海浜口:350台
- 料金 - 大型車:1580円、普通車:520円、二輪車:260円。障害者手帳所持者同乗の普通車・二輪車は無料。
アクセス
編集公共交通機関
編集- 勝田駅東口2番のりばから茨城交通バス海浜公園方面行、約20分。「海浜公園西口」または「海浜公園南口」下車。前述のスイセン・チューリップ・ネモフィラ・コキア鑑賞時期など、観光シーズンには臨時バスが多数運行される。
- 勝田駅・那珂湊駅・阿字ヶ浦駅などからコミュニティバス「スマイルあおぞらバス」。各方面本数は少ないが、運賃は一律100円である。
- 高速バスは、東京駅八重洲南口からの勝田・東海線(茨城交通)が「海浜公園西口」または「海浜公園入口」に停車する。
- LuckyFesの際は勝田駅から臨時バスが運行される[23]。
- この他、上記の鑑賞時期など多客期には阿字ヶ浦駅から臨時バスが運行される場合がある。
- ひたちなか海浜鉄道湊線を阿字ヶ浦駅から公園西口付近へ延伸する計画が進められている[24][25]。
車
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 現地の案内表示及び公式サイトにおける英語名称
- ^ 国土交通省関東地方整備局国営常陸海浜公園事務所"国営ひたち海浜公園事業概要"における英語名称
- ^ 2016年度 記者発表資料"平成27年度 年間入園者数報告 2,136,6681人 "
- ^ 国土交通省関東地方整備局国営常陸海浜公園事務所"国営常陸海浜公園の概要|国営常陸海浜公園事務所"(2012年6月4日閲覧)
- ^ 国土交通省関東地方整備局国営常陸海浜公園事務所"国営ひたち海浜公園事業概要"8pp.(2010年11月8日閲覧)
- ^ 外国人にわかりやすい地図表現検討会 (2016年1月6日公表) (PDF). 地名の英語表記及び外国人にわかりやすい地図記号について. 国土地理院. p. 17
- ^ a b c “公園略年表”. 関東地方整備局国営常陸海浜公園事務所. 2015年9月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “国営ひたち海浜公園事業概要”. 関東地方整備局国営常陸海浜公園事務所. 2015年9月5日閲覧。
- ^ “令和6年度 国営常陸海浜公園事務所の事業概要について”. 国土交通省関東地方整備局 国営常陸海浜公園事務所 (2024年4月15日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ a b c “ありがとう!2,000万人”. 国営ひたち海浜公園 (2013年5月9日). 2017年12月2日閲覧。
- ^ “~青一色の風景~ネモフィラ 見頃(満開)です”. 国営ひたち海浜公園 (2023年4月17日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “季節の花便り 紅葉する草「コキア(ほうき草)」について”. 国営ひたち海浜公園 (2005年10月11日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ a b c “整備の状況 | 国営常陸海浜公園事務所 | 国土交通省 関東地方整備局”. 国土交通省関東地方整備局 国営常陸海浜公園事務所. 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ありがとう!累計入園者数 3,000 万人達成”. 国営ひたち海浜公園 (2018年5月7日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ 新型コロナウイルス感染症対策に係る臨時休園について - 国営ひたち海浜公園(2020年4月2日) 2020年5月22日閲覧
- ^ 開園再開のお知らせ - 国営ひたち海浜公園(2020年5月29日) 2020年6月1日閲覧
- ^ 日本放送協会 (2024年4月23日). “国営ひたち海浜公園 入園者4000万人超 茨城 ひたちなか|NHK 茨城県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ありがとう!累計入園者数 4,000 万人達成”. 国営ひたち海浜公園 (2024年4月22日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ 日本テレビ (2023年8月10日). “ロッキン、2024年は計10日間の開催予定 千葉・茨城で開催と発表”. 日テレNEWS. 2023年8月10日閲覧。
- ^ “ロック・イン・ジャパン 2022年は千葉市開催へ 国内最大級の野外音楽フェス”. 千葉日報 (2022年1月5日). 2022年1月5日閲覧。
- ^ “【DAY1】ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022 クイックレポートまとめ”. rockin'on.com. 2022年8月20日閲覧。
- ^ “GWは国営ひたち海浜公園の早朝開園へ 可憐なネモフィラの咲く青い丘とチューリップの絨毯”. Travel.jp (2017年4月17日). 2017年12月2日閲覧。
- ^ ACCESS - LuckyFes公式サイト(2023年5月30日閲覧)
- ^ 『ひたちなか海浜鉄道(株)湊線の第一種鉄道事業許可について』(PDF)(プレスリリース)国土交通省鉄道局鉄道事業課、2021年1月15日。オリジナルの2021年1月27日時点におけるアーカイブ 。2021年1月15日閲覧。
- ^ 『ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸について(事業許可取得)』(PDF)(プレスリリース)ひたちなか海浜鉄道/ひたちなか市、2021年1月15日。オリジナルの2021年8月21日時点におけるアーカイブ 。2021年1月18日閲覧。
関連項目
編集- 北関東自動車道
- 茨城港
- ひたちなか地区
- ファッションクルーズニューポートひたちなか
- JR東日本E653系電車(2013年3月までフレッシュひたちで使用) - 5色のうち、イエロージョンキルの帯の2編成(K303, K306編成)は当公園のスイセンをモチーフにしたカラーリングである。
外部リンク
編集- 国営ひたち海浜公園
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